白杖のあの子に会いたい2
前回、西武池袋駅で出会った白杖の女の子にまた会いたい、本気で探しているという話を書いた。
普段の私は会社員だが、空いている土日には時々障害者施設のボランティアをやってきた。
だから車椅子バスケのオリンピアンも、目が見えないけど小さな劇団で芝居に生演奏を付けるピアニストも、目が見えない人向けのサポート機器メーカーの社長も知り合いにはいる。
この前ふと思ったのだ。
目が見えない人達には、目が見えない人達のネットワークがあるに違いない。せっかく知り合いがいるのだから、彼らに聞けばいいんじゃないかと。
何で今までそこに気づかなかったんだろう、俺ってバカじゃんと素直に思った。
よし、メールアドレスは知っているから、すぐ連絡しよう。・・・とノートパソコンに向かって、ふと思った。
あれ? どうやって説明すればいいんだ?
私は目が見える。だからその女の子の見た目を記憶していて、説明出来る。
年齢は22、23歳くらい、髪は肩より少し長いくらいのほぼストレート、身長160cmくらい、体型はスリムでメガネをしている、眼球にスマホを近づけると文字が読めるとのことで、それで友達とラインをしていた、、、
が、目が見えない人達は、元々外見で相手を識別出来ない。というかしないのだ。彼女の見た目の情報を知り合い達に伝えても、それでは誰だか全くわからないと言われるだろう。
もしかしたら、この見た目の白杖の女の子を探して欲しいとメールをしたら、彼らの周りにいる目が見える人達に心当たりがあって、反応が返ってくる可能性はあるかもしれないけど。
では、知り合いの彼らに人を探して欲しい、こういう人を知っていたら教えて欲しいと依頼するためには、どのような情報だったら伝わるのだろうか?
考えて気がついた。
そうだ。名前だ。そして名前に付随する個人情報だ。それも本人が自己紹介で使っている情報だ。
例えば、きっと単なる[鈴木]ではなく、[東京都三鷹市に住む整体師の鈴木です]という感じだ。
見えない人達にとっては、身長も髪の色も着ている服も人を識別する情報にはなり得ないのだ。
だとしたら、彼女は名前や個人情報を知らなければ探し出せないことになってしまう。
西武池袋駅で彼女を手伝った時には、後でまた会いたいなんて気持ちがこんなに募るなんて思っていなかったから、名前を聞こうなんて思いもしなかった。
それがそもそもの失敗だったのか?
住む世界が違うとは思いたくないし、実際違わないのだ。
であれば、見える人達の尺度でしかものを考えられない、私が至らなかったのだろう。
でも会いたい。どうすればいいだろう。いい機会だから、たくさん考えてみようと思う。