春の霰 253-1/21
きのうの晴天とは打って変わってきょうは霰が降った寒い日であった。
君帰るそばから春霰(しゅんさん)音立てん
菜の花の浸し夕餉に醤油マヨ
季語の中に風変わりと感じるものがある。そういうものを春の季語の中に三つ見つけた。一つ目のときはふーんという感じだった。さすがに三つも出てくると並べてみたくなる。それがこちらである。
菜の花蝶に化す
田鼠化して鶉と為る
鷹化して鳩と為る
菜の花が蝶になる。モグラがウズラになる。鷹が鳩になる。「菜の花…」は比較的わかりやすい。「田鼠化して鶉と為る」と「鷹化して鶉と為る」は七十二候の一つである。「田鼠…」は「実際にはありえないことだが、春になり地中のものが地上に出て活動すると考える事ができる。(きごさい歳時記)」ということである。「鷹…」は「獰猛な鷹が春のうらら かな陽気によって鳩(カッコウとも)と化すこと。(実用日本語表現辞典)」、「そのようなことはあり得ず、春の幻想的な気分をあらわしている季語といえよう。(きごさい歳時記)」だそうである。