春の筍 262-1/21
筍やシャキシャキ歯ごたえご飯かな
筍やシャキシャキ歯ごたえお汁かな
筍やシャキシャキ歯ごたえ煮物かな
筍のあまりのおいしさに三連句(註)。他の根菜類と比しても出色である。朝、さんとすさんがあっという間に三品調理してくれた。筍は採れたてだと皮を取ってそのまま調理できて、日が経ったものは米糠であく抜きをしてから使うということである。今回の筍は一度煮こぼして調理したそうだ。自作の句は勢いで作ったら、中六だった。
筍は初夏の季語であるようだ。「春の筍」は晩春の季語である。なんと「筍飯」も初夏の季語だ。春の筍はどうやって食べるのだろうか。視点を変えて筍の皮に注目してみた。
まるでゆで卵春筍(しゅんじゅん)皮の内
筍の皮の内側の見た目は乳白色のプラスチックのようにも見える。さわってみるとビニールのようなゴムのような感触である。ならばそのまま、
まるでゴム春筍の皮の内側
これでは春の筍にした意味はあるのかという疑問が生じた。調理した人はもっと豊かな視点があるはずだと思われる。食べただけの私はやっぱり食べたときの歯ざわりとかそちらの感銘を表現したい。
春筍やその歯ごたえとやはらかさ
そう、こういうことが言いたかった。たけのこはおいしい。
春筍や君が作りし飯汁菜
個人的な感覚として、「君が作りし」のフレーズが頻出している気がする。
飯汁菜シャキッと春の筍よ
句も筍尽くしとなった。
(註) 三句を連続して作ったというだけの意味であり、「俳諧の連歌」を意味する「連句」とは異なります。