落椿            273-1/21

 裾除けができた。やっぱり40寸長かった。和裁の本に記載されている用布量から割り出して腰下寸法を出した。腰下寸法なるものが曖昧だったのでそういう方式を採った。最初からも、作っている途中も何だか長い気がすると思いながらも、何か意図があるはずだというか、意図があってほしいという半ば希望的推測で進めていった。1回目に作った裾除けは身幅が広過ぎた。今回は身幅に関しては慎重にできたので思惑どおりであった。本に書かれている身丈が「腰下寸法-40(寸)」となっていて、この計算式からして疑問であった。さらに布の裁ち方を見ると、「腰下寸法+20(寸)」が腰布を除いた本体の長さである。これでいくと、身丈がどこの寸法なのか、腰下とはどこを計ればいいのか、混乱したまま、疑問は残っているまま、唯一明示されている用布量を頼りに採寸して裁断したのであった。

 この用布量が恐らく誤りであったような気がする。長過ぎるのだ。実際に作っていくと矛盾があるのだ。それとも用布量を多めにとったのだろうか。それにしても、「身丈=腰下寸法-40寸」はおかしい。「身丈=腰下寸法+40寸」ならわかる。

 こういった経験をもとに、これだという寸法に行きついたことであるし、きっと三回目は希望どおりのものが作れるだろう。さっそく新たに取り掛かろう。

 

 最後に、あふろでぃーてちゃんの句を紹介して終わります。

     カウンター椿の花を水に置く

     カウンター水に浮かべる椿かな

     コーヒーとジュークボックス春の暮

     庭先で泥とボールと落椿


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?