春霖            254-1/21


     春霖やしめ鯖流す純米酒

     桜蒸し鰆もち米に包まれ

 おいしそうな俳句を作ってみた。

 ところで、春の季語に「亀鳴く」がある。さんとすさんは亀の鳴き声を聞いたことがある。というか結構聞いているらしい。亀って鳴くんだなと言われたときは少し驚いた。亀って鳴くんだと思った。初めて知った。これはさんとすさんだけの特典である。餌やりはもちろん、冬になれば川べりの土をとってきてかけて冬眠させてやるのも、水槽の水を取り換えるのもさんとすさんだ。亀の声は水の取り換えで、亀を持ち上げているときに聞くという。

     亀鳴くを聞きし君と手つなぐなり

     亀の声聞く君ハンドインハンド

 聞いたときと、手をつないだときの間には時間差がある。「聞きし君」は今の君でもある。亀の声を聞いたという話を聞いたことと手をつなぐことはそれぞれ独立している。ハンドインハンドの方が時間的には前だったりする。

 「亀鳴く」の例句

亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ       村上鬼城  「鬼城句集」
亀鳴くや月暈を着て沼の上        村上鬼城  「鬼城句集」

声を聞いた人は稀だろうと思われる。

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