深紅の萼 246-1/21
深紅(こきべに)の帽子被りし梅の花
室内の梅は満開を迎えた。よく見ると、深紅の萼(がく)が帽子のように見える梅の花である。深紅の色にこの萼を重ねたらぴったり合った。蘇芳の色にも近い。梅の萼は通常この色で、緑の萼の珍種の梅もあるらしい。その名も緑萼梅というから、珍しいさが名まえからも伝わる。
(2020.3.30追記)
なにごともなき日のしじま梅の花
こちらの句を先に作った。静かな夜で、梅の花がそっと咲いているのだけが目を引く。もっと具体性を出した方がいいかなと思って直したものの、翌朝(きょう)になってもこの句が思い出されたのでここにあげておくことにした。「なにごともなき」を漢字で「何事も無き」と書いていた。ひらがなにしたらやわらかくなった。意味も違ってくるようだ。