春浅し 405-0/21Ⅴ
緯糸のこんがらがりぬ春浅し
「こんがらがりし」か「こんがらがりぬ」か迷った。
ぬ 完了
・ 動詞の連用形に付く。
・ 形容詞に付く場合は、動詞「あり」を介して付く。
1 動作が自然と完了する(した)との判断をあらわす。「つ」と似た意味であるが、「つ」が主として作為的な動作について用いられたのに対し、「ぬ」は非作為的・自然推移的な意味の動詞に用いられる傾向があった。
2 「つ」と同様、将来(仮定)の事柄について、その動作を既定の事実であるかのように見なして言う場合にも用いられる。
つ 完了
・ 動詞の連用形に付く。
・ 形容詞、助動詞「べし」「まじ」「ず」などに付く場合は、動詞「あり」を介して付く。
1 動作が確かに成り立った(完了した)との判断をあらわす。「ぬ」とほぼ同じ意味になるが、「ぬ」は非作為的・自然推移的な意味の動詞に用いられたのに対し、「つ」は作為的・人為的な意味の動詞に用いられる傾向があった。
2 すでに終わってしまったことを過失と見なし、そのことで後悔したり、 自分を(あるいはそれを行った他者を)責める気持ちを含めて言うこともある。
3 将来の事柄、あるいは仮定の事柄について、その動作を既定の事実であるかのように見なして言う場合にも用いられる。
き 記憶想起
・ 動詞(カ変・サ変動詞を除く。)・助動詞の連用形に付く。
・ カ変動詞(「来(く)」)の場合は、未然形にも連用形にも付く。
・ サ変動詞の場合、終止形「き」は連用形に、連体形「し」・已然形「しか」は未然形に付く。
・ 形容詞、助動詞「べし」「まじ」「ず」などに付く場合は、動詞「あり」を介して付く。
1 記憶にあること、回想されたことであるとの判断をあらわす。実際に経験した身近な過去を言う場合が多いが、例歌に引いた天智御製のように遠い過去についても言う。
2 室町時代頃から、複合助動詞「にき」あるいは助動詞「たり」と同じような意味でも用いられた。
たり 完了・存続
動詞の連用形に付く。
1 動作が既に完了したとの判断をあらわす。「~した」。
2 動作が完了し、なお継続しているとの判断をあらわす。「~している」、「~してある」。
3 「つ」「ぬ」と同じく、将来の事態につき、既定の事実であるかのように仮想して言う場合にも用いられる。
「和歌入門附録 和歌のための文語文法」から
カ変動詞とは「来(く)」で、サ変動詞とは大雑把に言って「す(ず)」のことである。
「し」は「き」の連体形である。
「こんがらがりし」だと、「春浅し」の「し」と重なって語呂が悪い感じがして「ぬ」とした安易な動機からであった。まさかの「つ」という手もあるのかと思いつつ、「ぬ」が非作為的・自然推移的な意味の動詞に用いられたということから判断して「ぬ」とすることにした。
異存や難色の発声(5回でアウト)
アウト。きのうの就寝前でカウント4。本日の午前中にはカウント5となって、さらに2回を数える。今通算カウント7ということになる。アウトが早々と確定していたし、俳句も早めにできていたのでこの辺で切り上げようと思っていたところ、助動詞が気になって調べたら、すごく時間がかかってしまった。
そうこうしているうちに、日没を迎え、新しい日になっていたのであった。