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#139.【《犬と子供を考える⑦》犬を飼いたい!という子供。何歳ならOK?】

こんにちは!

15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。

前回は
#138 .【《犬と子供を考える⑤》犬の世話を子供にさせるには、何歳になってから?】
をお届けいたしました👇

このシリーズでは

「犬嫌いの子供」を作らないために出来る事

をお話しています。

前回は、

「犬の世話を子供にさせるには、何歳になってから?」というテーマでお話しましたが、実はこの「お世話」の前に問題になるのが

「子供が犬を飼いたいと言っているけれど、何歳になったら犬を飼ってもいいか」

ということ。

先日も、「犬が飼いたい」という子供と渋る親御さんを、
ペットショップで見ました。

前回お話した内容も含め、私は

・日常的なお世話は3歳ごろからやり方を教え、
親が見せて、付き添って一緒に行う
・4~5歳になったら、遊び方のルールを教える
・6歳ごろから、ご飯・排泄の処理・ブラッシング・トレーニングなどは1人で行うことができる
・中学に入る13~14歳ごろから、1人でお散歩に行かせる

ぐらいが良いかなと思っています。

それでは

「子供が犬を飼いたい」と言ったら実際、何歳からならOKか?


ご家庭によって、多少の差はあると思います。

わが家では子供たちに「15歳になったらね」と言っています。


これにはいくつか理由があります。

まず、小学生以下の子供が「絶対に自分で犬の世話をするから」という事をどれだけ真剣に、強く熱望したとしても、
物理的に親の介入が必要になります。


犬を家族として、家に迎え入れるということは、
仔犬であれば少なくともその後12~3年は、共に暮らすということです。

私も先代犬を迎えた時は小学生だったと思います。

もちろん、「自分で犬の世話をする」という意思に嘘偽りはなく、
出来る世話は自分でしたと思います。

ですが、10歳から23歳という成長過程を考えた時、
体も心も生活も行動範囲も人間関係も、
全てが大きく変わるこの時期、
小学生と社会人が同じ熱量と行動を続けることは、
物理的にとても難しい時期です。

「最初は子供が欲しいといって飼ったのに、全然世話をしないんです」
いうお声を聴く事もありますが、

そもそも子供が100%犬の世話を独りで行う事は難しいですし、
成長し、思春期に入り、大人として巣だっていく過程で、
当初あれだけ熱望し可愛がっていた犬への興味関心が
ほかに移っていく・・・・

これは、本当によくある事で、ある種必然の部分もあると思います。

ですので小学生くらいまでのお子さんが「絶対お世話するから!お願い!」と言って何度も約束したり、役割分担を決めたとしても、

5年後には、

最も家に長くいる人が犬のお世話の大半を行う事を最初から覚悟すること

ができたら、子供が何歳でも犬を迎えていいでしょう。


有名な歌の歌詞にも「15歳」は多感な時期として歌われる事が多い、
思春期真っただ中の時代。

子供と大人のはざまで揺れ動き、自分とはなにか、
将来とはなにか、生きるとは何か、
友達や周囲の大人たちとの関係に多かれ少なかれ、
悩む事が多い時期だと思います。

部活や趣味に没頭し、家族よりも友達や他者とのつながり、
自分だけの世界を構築して深めていく時期でもあります。

時に家族や周囲と激しく反発し、人に甘えたり素直になれず、
孤独を感じる年齢でもあるかと思います。

その多感な「15歳」に、
他でもない「犬」という伴侶動物をどうしても迎えたい、
と親に熱望するような場合。

親には話せない人間関係や友達関係、自己の中に、何か抱えているものがあるのかな、と思うからです


私が15歳の時を振り返っても、申しわけないけれど、
愛犬は世界の中心ではありませんでした。

いつもそこにいる、いとしい存在ではありましたが。

だから「15歳」になって親に「どうしても新しいペットと暮らしたい」という気持ちがあるのであれば、私は真剣に考える事でしょう。

そしてその年齢であれば、十分に動物のお世話ができます。

動物の世話というのは、感情に振り回されてばかりでは、
難しいときがあります。

動物介在療法、というものがあることをご存知でしょうか。

これは特に自閉症や心の疾患を得た子供たちに、
動物の世話や触れ合いをさせることで、
人には開けなかった心を癒し、開いていくセラピーの一種です。

馬や犬は、特に人の心に寄り添うことから、動物介在療法に用いられることが多いです。

一般的には伴侶動物(主に犬、馬など)の力を借りて
人の精神的あるいは、肉体的な健康状態を向上させるために
実施される補完医療の一種です。

親や周囲の大人、友達には話せないような、心のうちを、
愛するペットだけに打ち明けた事が、
皆さんにも一度や二度はあったのではないでしょうか。

誤解のないように申し上げますが、

「子供の情操教育のために」という理由だけで犬を迎えることは避けた方がいいと、私は思っています。


トレーナーとしてのキャリアの中で、
数回、ご家族が心疾患を患っているため
「お医者さんに「ペットを飼うといい」と言われて」
といって飼ったという方に出会ったことが在ります。

これは動物の専門家としての立場からは、
ご家族皆様で何度も考えられたうえで、
ペットを迎える前から、専門家にどの動物種がいいか、
どういうお世話をすべきか、
どういうことに気を付けるべきかをきちんと相談されてから迎える方がいいと思います。

できれば一般的なトレーナーよりも、動物介在療法の専門家のほうが良いでしょう。

話が逸れましたが、

どの段階で犬を迎えても、犬と子供は素晴らしいパートナーになりえます。


ただし、子供の年齢に応じて、
周囲の大人が気を付けるべき事柄や
ととのえるべき環境は異なっていきますので、
それをしっかりと、
周囲の大人たちが自覚と覚悟を持つことが何より大切だと思います。

これまで、「犬と子供」シリーズでは、
犬と子供双方で気を付ける事・注意すべきことを中心に
お話をしてきました。

次回は「犬と子供:共に暮らす素晴らしさ」について、
お話していこうと思います。


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