＃159.【モノを与える事だけが愛情ではない】《子育て犬育て》
こんにちは！
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。
前回は
＃158.【犬に衛生観念はありますか？（食糞等への回答）】
をお伝えしました。
さて、昨日は私の生誕記念日でした。
＃Standfmでは沢山の皆様に登壇していただき
「ああ、今ここに在って幸せだなあ」と感じる時間でした。
今回は「子育て犬育て」のシリーズのお話となります。
私は先日、ある配信をお伺いして犬も人も同じだなあ。
と感じることがありました。
どうしても、日々の中で
「やっていないこと」や「やらなくてはならないもの」
に目を向けてしまうのは、自分のことも、子どもの事も一緒。
もっと子供の頑張りを褒めてあげなくてはなあ、と思いました。
休み開けに、学校に行けなくなるお子さんは多いと聞きます。
我が子も昨年転校してすぐは、
「頭が痛い」と言って休むことがありました。
そんな時、どうしても昭和気質の私達夫婦は、
「早く寝ないから」とか「怠けてるんじゃない」とか思ってしまいます。
今の所こどもは何事もなく毎日学校に行っていますが、
そのことに対して私が褒めた事があっただろうか？？
ふと、そんなことを感じました。
「当たり前に皆がしている事が出来るということは、実は当たり前ではない」ということ。
そのことは、犬のトレーナー業に身を置いていても、
感じる事ではあります。
「犬は飼い主に従順である」
「お散歩に出たら横を歩く」
「犬は犬が好きである」
といった「当たり前」を抱えた飼い主さんにとって、
ご自身の愛犬がその予想図と違う時に混乱し、落胆し、絶望します。
ですが、本当は
「出来ている事」もたくさんあるんですよね。
「お散歩中に犬に吠えてしまう犬」であったとしても、
その時以外はいい子で歩いている時間もあるはずなのです。
飼い主さんに注目して、
遊んでほしいけれど静かにしているときも、あるはずなのです。
そこに気が付いている飼い主さんは残念ながら少なく、
そのために犬は
「気をひくために吠える・咬む・いたずらする」などをしていきます。
そういった問題に対処するとき。
（子供であれば、「自主的に勉強や、やるべきことをしない」
というような問題に置き換えられるかなと思います。）
成功報酬や、気をひく為、逆に気を紛らわせるために、
何かの物を与える事。
これも親として、飼い主としてやってしまいがち。
けれど犬たちや子供たちが根底に欲しているのは、
「関わり」であり、
「愛情をかけてもらっている」という安心感や信頼感、
自己肯定感なのではないでしょうか。
忙しいから、かまっている暇はないから、
「宿題だけはやりなさい」と子供に押し付けたり、
「夜になったら静かに寝なさい」と愛犬に言い聞かせたり、
モノや道具でその場を何とかしようとすること・・・・・
あるんじゃないかなあ？
と思ったのです。
もちろん、モノや道具を与えることが悪い事ではありません。
人間でいえば「お金」もここに入ってくると思います。
特に犬にとっては「成功報酬」は行動修正のためには
非常に大切なツールになります。
動物は、自分の取った行動の結果で行動を学習するからです。
なので私は、
犬のトレーニングにご褒美を使う事は大いに推奨しているのですが、
（もちろん、使わないトレーニングの方もいらっしゃいます）
そこに「愛情」があって初めて、成り立つものだとも信じています。
なぜなら犬たちは、
「飼い主さんと共に行動する」ことに非常に喜びを感じるからです。
これは犬が人類と共に歩んできた長い歴史の結果でもあります。
愛情、行動、そして最後にモノがくる。
そうでなければその「モノ」の価値は下がります。
愛情を示す行動があってこそ、「モノ」は生きてくるのです。
例えば若い犬は特に、
飼い主さんとおもちゃで遊んでもらうのが大好きです。
では、1人でおもちゃで遊んでいて、
と言って与えると、遊ばずにどこかへ行ってしまったり、
すぐ興味を失います。
「すぐ飽きてしまうんです」と、
山盛り沢山の種類のおもちゃを持っている子がいました。
けれどその子が望んでいるのは、
「飼い主さんと一緒に遊ぶこと」であり
「おもちゃ」そのものではないのです。
ここをはき違えてしまうと、犬との暮らしの中でも、
気が付くと大きな問題になってしまう事はよくあります。
沢山の愛情と、多額のお金を使って、
高価なベッドやグッズ、山のようなお洋服なおもちゃ、
あらゆる健康に気を使ったおやつやフードを与えられても、
1日２０時間、ひとりぼっちの犬。
または、「吠えるから」と1度も散歩に連れて行かれる事無く、
部屋の1室で過ごす犬。
おもちゃはボロボロのボールや使い古しの靴下、
ご飯は安価でおやつは滅多にもらえず、
お洋服なんて着た事もないけれど、
常に飼い主と行動を共にしている犬。
（これは私がロンドンで見たホームレスの連れていた犬です）
どちらの方がより、犬が望む生き方なのか。
私は常々、このことについて「犬の幸せはどこにあるのか」を考え、
自分なりの結論に至ってきました。
そして、ここにきてやはり、
子供もある程度一緒なのだと思い当たりました。
どんなに裕福で、新品のゲーム、高価なお洋服、、、もの品に囲まれ、
優秀な家庭教師に習っている子供であっても、
その子にとってはそれが「幸せ」であるか？は別問題。
何故ならやはり、
人間は「人とのかかわり」が無ければ
生きていくことが出来ない生き物だから。
この点でも犬と人は似ていますね。
他者とのかかわり、そこで得られる安心感や信頼感、
自信を失った状態で幾ら物品を与えられても、
本当の意味では満足できないのでしょう。
特に、飼い主さんとの関係性の上で問題を抱えている犬の場合、
「私はたくさん、この子に愛情を注いできたのに」という
「愛情のすれ違い」が起きることが在ります。
それは「すれ違い」がまだ小さな種だった頃に、
的確な対処をしなかったことで、大きな木に成長してしまったケース。
ご家族への噛みつきなどが、例になります。
人間の親子関係でも、大きなトラブルや溝になる前に、
「愛情のすれ違い」がもしかして、
少しずつ積み重なってしまっているのではないかな・・・・と思いました。
余裕のある日は、子ども一緒に過ごす時間をいつもより多く作り、
沢山話を聞いて、色んなことを共感していきたい。
改めてそう思いました。
物品を介してではなく、
子どもや愛犬さんと一緒に時間や感性、
愛情を共有する時間を作ることで、
より豊かな関係性を築けると思います。
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