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【編集後記】そうめんの新しい扉

7月の初旬。こども園から帰ってきたむすめが、ルンルンと口ずさんでいる言葉がステキだった。

「夏といえば~、すいか!」
「夏といえば~、はなび!」
「夏といえば~、プール!」

おゆうぎの時間に先生から教えてもらったのかな。聞いているだけで、夏がどんどん楽しみになってくる。むすめがニコニコと唱え続けるものだから、わたしもつい参加してみたくなった。

「夏といえば~、そうめん!」

わたしが大きな声で横やりを入れると、むすめはきょとんとした顔でこちらを見つめた。彼女の目が「そうめんってなに?」と言っている。

そうか……! むすめは今の今までそうめんを食べたことがなかったのか……! という衝撃の気づきから生まれたのが、このnote。

そうめんを巡るむすめとわたしの攻防をつづりました。よかったら読んでみてください。

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原稿を書くにあたっては、さまざまな種類のそうめんを食べたり、食べ方にも工夫を重ねたりしました。

研究のワンシーン。そうめん3種食べくらべ。
夫と2人で果敢に挑むも、腹がはちきれんばかりになった。


なかでも感動した「そうめん」があったのでチラリとご紹介。
わたしの感動そうめんは……、 三輪山勝製麺さんの「一筋縄そうめん」! そうめん研究家 ソーメン二郎さんがオススメされていた逸品です。

「乾麺」と「半生」。どちらも取り寄せていただきました。2つとも甲乙つけがたくおいしかった~! おおげさでもなんでもなく、そうめんの概念が覆るような体験だったと思う。

「半生」を食したときの写真がコレ。驚きました。まず、麺をゆで上げたときのツヤ・テリが、他と全然違うんです。

「写真がコレ」とかエラそうに言ってはみたものの、撮影が下手すぎてツヤ感、テリ感がまったく伝わらない……! ここは是非とも、みなさんの豊かな想像力で補正してください。

透明感あるテリ具合がほんとうに美しい。つややかな光沢が、ちゅるんとした最高の喉ごしを期待させます。

ひとくち目は基本の食べ方、オリーブオイルと塩でいただきました。ここで2回目の驚きが。

麺の香りが甘ーい! 食感はモチモチで、ほどよい柔らかさとコシがあります。特筆すべきは、そうめん特有の油臭さが一切ないこと。油っぽくなく、クセもない。そのぶん小麦の甘みをダイレクトに味わえます。

それもそのはず、「一筋縄」には油が一切使われていないのだそう。小麦の風味を最大限活かすため、油の代わりに吉野葛を使用しているんですって。麺に美しいツヤ感があるのも、吉野葛のはたらきなのだとか。吉野葛、粋な仕事をしやがるぜ……!

ふたくち目は、三輪山勝製麺さん特製 鮎だし入りめんつゆでいただきます。

はい、ここで3回目の驚きです。一番大きい驚きだったかもしれません。三輪山勝製麺さんの麺とつゆがめちゃくちゃよく合う!
めんつゆは鮎だしの香りがよく立っていて、食欲をそそります。コクが深いんだけどさっぱりしていて、ゴクゴク飲めちゃいそう。このつゆに、やさしい甘みのある「一筋縄」がよく絡むんです。

なんと表現すればいいのでしょうか。世の中に幾多ある夫婦のなかには、顔つきがそくっりで、まとうオーラも瓜二つで、なによりとっても仲良しで、お互いに足らないところを補い合っている。二人は生まれたときから出会って添い遂げるのが運命だったにちがいないと思わせるようなナイスカップルが、たまーに存在するじゃないですか。あの感じです。
めんつゆとそうめんがバッチーンとマッチして、なんの違和感もない。心地よい。安心する。ただただうまい。ああ、うまい。

何度も感動しているあいだに、2人前をひとりでちゅるりといただいちゃいました。残っためんつゆが名残り惜しくって、ちびちび口に含みながらおにぎりも完食。旨いめんつゆに誘われるまま、秘儀・炭水化物 with 炭水化物を華麗にキメてしまった。37歳女性の食欲、おそるべし……。

三輪山勝製麺さんの「一筋縄そうめん」。そして「鮎だし入りめんつゆ」。とってもとってもオススメです。

知った気になっていた身近な食材「そうめん」。
調べれば調べるほど、食べれば食べるほど新しい扉が開いてゆく。奥深くておもしろい。この夏、もっともっとそうめんを食べるぞー!

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