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フリースクールのその先を考える

こんにちは。さなぎです。
先日こんな記事を見かけました。

息子はN中等部生。名前こそ学校っぽい雰囲気をしていますが、一条校ではありません。

一条校というのはいわゆる「学校」のこと。つまり、N中等部は「学校ではない」ということです。学校を開校するにはさまざまな条件があるそう。そう……学校は簡単につくれるものではない。

そんな中、我が家はN中等部を選択しました。我が子もフリースクールに通うひとり。

ただ……通知表に関して「絶望した…」みたいなことはまったく思ったことがありません。

今回はそんなお話。フリースクールに通わせる当事者としてお話しできたらと思います。あくまで個人の意見にはなりますが、ぜひ最後までお付き合いください。


地元校に何を求めているのか

N中等部には保護者会があります。しかも想像するような生徒・保護者・先生という構図ではありません。

保護者”同士”の会=保護者会です。毎年5月、12月に開催されます。

以前こんなお母さんとお話しました。

「うちの子、高校は”普通”に行かせたくて」
「みなさん、内申点とかどうされていますか?」

保護者同士の交流ではこんな会話がしょっちゅう(いや、毎回)あります。

保護者でも意見は割れます。

まだどうしても”普通”ルートでいてほしい親、
N中等部にきたから別のルートで割り切っている親。

大体二分化される印象です。

わたしはどちらだと思いますか?


……


当たり!後者です(って当たりました?笑)。

そもそもフリースクールを選んだ時点で別ルートだと思うんです。これを”普通”から外れていると思うならその解釈でもいいのですが、”普通”ってそれぞれですよね。それに中学、高校と過ごしていく中で今は我が家にとってN中等部に通う環境は日常なのです。

なら何が邪魔をしているのか。

「親のエゴやプライド」かなと。

ただ今ではこう思えますが、正直N中等部に入った当初はまだどこか地元校を気にしていました。

自分たちはいわゆる”普通”のルートで生きてきた。テストの順位・内申点・先生のご機嫌取りをして椅子取りゲームをしてきた。だから息子がN中等部を選び、地元校には在籍のみという形をとったとき……まだ不安でした。

でも1年半過ごしてきて確信したことがあります。

『本人の努力次第でなんとでもなる(注:内申点は除く)』

我が家がなぜフリースクールの中でもN中等部を選んだのか。それは「高校までを考えられた」から。最近ではZEN大学の開校も決まり、最長の場合はあと8年くらいお世話になるわけです(今のところは大学に関しては別で考えています)。

これがもし”中学まで”のフリースクールだとしたら、選んでいなかったかもしれません。

フリースクールを選択し、その後”普通”の高校に行きたいと思うなら……そのまま進学していた方がこの記事の方はしあわせだったかもしれませんね。形はどうであれ。

我が家の地元校の付き合い方はこんな感じです。

・在籍させてもらうが、学生証等受け取らない
・教科書は一応受け取るが、タブレットは受け取らない
・学校行事等は参加しないが、近況報告はする

校長先生は深い理解をしてくださっています。担任の先生もおそらくこれまでいなかったタイプの関わり方で戸惑いつつも、協力してくださっています。もちろん多少の意見の違いやすれ違いはありますが、お互い許容範囲な感じで過ごしています。

だから「成績をつけてください」なんて思いません。だって自分たちで選んでいるんですから。むしろいつもありがとうございますって気持ちかも。

簡単に後戻りはできない

我が家はN中等部の週5コースを選択しています。ということは平日は毎日通学しています。そうなるともちろんですが、地元校の授業にもテストにも行事にも参加しません。

これが何を意味するのか。

「簡単には後戻りできない」

入学前から中学校とは話し合いをしていました。入学式も出ていませんし、名簿にも記載しないようお願いしています。となると今息子が突然「学校に通いたい」となったらなかなかスタートはハードモード(本人に全くその気はありませんが)。

おそらく周りには我が家が地元の中学に在籍していることはなんとなく伝わっていることでしょう。ありがたいことに誰も突っ込んではきません。役員なども特にお話がくることなく、今年の役員選出を終えた様子。

息子が小学校6年生だった2年前。ちょうど2年前にN中等部の入学が決まりました。

そのときわたしが息子に伝えたこと。

「ここまできたらやるしかないよ」

当時息子は全体的に悩んでいました。

このまま中学に上がってもきっと通えない。なぜ通えないと思うのかわからないけれど、学校が向いてなさそうと本人は思ったそう。

夫もわたしも同じように考えていました。だからあえて予防的措置として通学先を変更。

本来は地元校に進学して、通えなくなってからでも遅くはない。でも中学校の頃に失う自己肯定感はなかなか取り戻せないことをよく知っています。

小学校6年生には重い決断だったかもしれませんが、彼の決意はとても固かった。

・これから何をしたらいいか
・自分はどう変わりたいか
・なぜこの場所を選んだのか

それをこの1年半、しっかり示してくれていて「通わせてよかった」と今は心から思っています。

N中等部に通う子の中には途中で退学する子ももちろんいます。多いのは週1から通い始めた子。いくら自由な場所でも合わない子には合わない。だから息子は運がよかったのかもしれません。

このあと息子はN高等学校に進学します。N高なのか、S高なのか、R高なのかは本人に決めてもらいますが、どちらにせよ系列校に進みます。

”通信制高校”

わたしたち親世代の通信制高校のイメージとはもう全然違う。自由な場所で、自由な環境で。だからこそ自己管理が大切で。

地元にキャンパスがあり、彼はそこを選ぼうとしているようです。

親としては地元から離れていた方が知り合いに会わなくていいんじゃないか?と思ったのですが、彼にとってはもうそんなのは気にならないみたい。この1年半で成長したから。

頼もしいじゃないですか!彼の決断であればわたしは尊重します。

通知表はなきものと考える

さて。ちょっと未来のお話をしたところで、この記事の話に戻りましょうか。

そもそもフリースクールを選択した時点で「通知表はなきもの」として考えないといけない気がします。

もし全日制の高校に進学したい!という意志が本人に強いのであれば、それは親が何をどうしないといけないのかを伝えなければいけません。

わたしにも中学生時代はもちろんあったのですが、正直ですよ……あの年頃はなんも考えてません笑。

情報過多社会ではあるけれど、子が仕入れる情報と親が仕入れる情報はやはり違います。経験しているからこその話もできるんです。

そこには結構な勇気も必要。

ただ……親がその不安を見せると、それは必ず本人に伝わります

親がドンと構えて、情報を仕入れて、最後の最後は本人に選択してもらう。選択したらもう文句は言わない。ここからはとにかく応援するのみ。

わたしもね、最初息子の地元校での通知表を見たときは驚きました。それは「認めてくれないのか」という感情ではありません。

「あらー!初めて見た!!逆に新鮮」

むしろ感動すらあったかも。ひとつ吹っ切れた瞬間だったかもしれません。

2年生になり、今年の担任の先生はオール1をつけてくれました。やさしさでしょうか、同情でしょうか笑。

でも個人的にはめちゃめちゃがんばっているのにオール1の子もいるわけで。なんだか申し訳なくなったのも事実。

もはや気にはしていないので、付けていただいた成績を受け止めるだけです。

子育てに正解はありません。

子どもが自分らしく楽しく生きてくれることが唯一の答え合わせ。

さあ、今年もあと少し。来年はいよいよ中学3年生となります。中学校の3年間って本当に風のように過ぎ去りますね💦

春休みが終わると3年生。1日1日がとても貴重な時間。成長を楽しみに、家族みんなで支えていきたいですね。

今回はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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