新しいことを学ぶとは、自分の地図を描くこと
なんでこの人は、こんなにたくさんの本を読めるのだろうか。
そんな風に思える人が近くにいたりしませんか。
読書に限らず「なんでこの人はこんなに上手なのか」と思う場面はたくさんあると思います。プロと呼ばれる人たちは、圧倒的な経験によって、その分野の地図を持っているからこそ、臨機応変に様々な事象に対応できるのだと思います。読書でいったら、どんなジャンルでも自分のものにできるようなイメージです。
地図の役割は、どこに何があるかがわかる。ある地点から他の地点までの距離がわかること。つまり、「何であるか」と「どんな(位置)関係なのか」がわかるということですね。
読書でいったら、「その本に何が書いてあるのか」「その本は、他の本とどのような関係にあるのか」がわかるということですね。たくさんの本を読んでいる人であれば、「あの本に似ている」とか、「この著者は、あの著者の影響を受けている」ということがわかります。だからこそ、自分がどう本に向き合うのか(自分の立ち位置)がわかるのではないでしょうか。
さらにいえば、地図を持っている人は、読み方においても、目的を持って読む、自分の興味関心を広げるように読む、など、様々な読み方ができます。目的地までどうやっていこうかと、ルートを考えるようなものです。
一方、地図がない人は、走るのがいくら早くても、ルートがわからないので、目的地がわかりやすい時は良いのですが、そうでないと道に迷ってしまいます。例えていうなら、受験勉強。合格するための読解法をマスターして、効率的に読み、解答する。これは、目的地までずっと直線のようなわかりやすいルートです。だからこそ、通用するわけです。
しかし、お察しの通り、知識を暗記して再現するような読書が求められる場面は少ないのが、受験以降の世界であります。これは、読書に限ったことではなく、様々な分野において、同じことが言えるでしょう。
新しく何かを学ぶときは、できるだけ早く自分で、自分のための地図を描く。その地図も使っていくうちに更新されていきます。今まで、知らなかった抜け道が発見されるかもしれません。その道は、今まで知っていた道につながっていることもあるでしょう、
よく教養を深めるには、「人、本、旅」と言われます。
まさに、地図にない新しい道を見つけるきっかけとなりますね。他人の地図をかりてばかりいないで、自分の地図を描いていきましょう。