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人生100年時代に知っておきたい食事の話

食べ物や飲み物は、口に入って、食道を通り、胃の消化で消化される。書いてみれば当たり前のことですが、それができなくなったときは生命の危機ですね。

今日は、嚥下障害について学ぶ機会がありました。嚥下障害と言われて、聞いたことがある人は少ないと思います。いわば、食べ物を上手に飲み込めない状態のことです。

健常者である私には関係ないようなことですが、家族や知人も含め、いつ誰が嚥下障害になってもおかしくありません。楽しいはずの食事において、美味しいものが味わえないとは、なかなか辛いものです。

私自身が話を聞いて、印象に残った点をお伝えします。

食事は観ることから始まっている

食事といえば、多くの人は口に食べ物を入れる場面を想像します。もちろん、食事のメインでありますが、食事は「自分が何を食べるのか」と認識するところから始まります。

「私はこれからカレーを食べる」「牛乳を飲む」と何が口の中に入ってくるのかを想像することで、身体が食事を受け付ける準備をしているわけです。これが、目をつぶって、鼻をつまんで、口に物を入れらなれたら、食事は食事ですが、何か違った行為のように感じます。

また、実際、自分の好きな食べ物が目の前に出てきたら、「食べたい」と思い、少々お腹がいっぱいでも食べますね。一方、嫌いなものの場合は、お腹が空いていても、食べようとしないものです。口に入る前から食べる行為は始まっていると言えますね。

当たり前だけど、忘れがちな”口の働き”

食事において重要な役割を果たす”口”ですが、それ以外にも大切な働きがありますね。呼吸です。(もちろん発語も)忘れがちですが、口の中に入ってきた食べ物は食道へ、空気は肺へ、と口の中(正確には喉元)で分けられます。

これってすごいことですね。さらに人間の咽喉周辺の図を見て驚いたのが、食道の入り口より気管の方が大きい(太い)んですね。それでも、口に入った食べ物が気管に入らないように、身体は動いているわけです。人体って、ほんとよくできています。

そのような区分けが実現しているのは、舌の働きが作用しているからだそうです。舌で口の中にある食べ物を一気に食道へ移動させる。これが「飲み込む」という行為です。一瞬のことで、自分の口の中(咽喉)がどのように働いているかわかりませんが、説明を聞いてなるほどと思いました。

意外にも誤嚥しやすいものは、ご飯

誤嚥とは、本来なら口腔から咽頭、そして食道を通って胃に送られるべき食べ物が、誤って喉頭と気管に入ってしまう症状のことです。

一般的なイメージとして、お餅など喉につっかえやすいものが問題になりやすいようように感じますが、意外にも、ご飯やがんもどきのようなものが誤嚥しやすいようです。(もちろん、お餅も誤嚥しやすいのですが)

というのも、食べている間に、固形物と流動物に分かれるものは、飲み込むための力やタイミングが難しいため、上手く飲み込めずに誤嚥する可能性が高いのです。(ご飯も成分と水分に分かれる)当然、若い人は大きな問題になりにくいようですが、高齢の方は、お餅よりもご飯の方が誤嚥しやすいようです。

お聞きした中で、面白い話。
ご高齢の方でも、食べたいもの(お寿司など)を食べているときは、誤嚥が少ないらしいです。やはり「食べたい」という意思がはっきりしていると身体も誤って飲み込むようなことがないんでしょう。(推測ですが)

子育て世代として、子どものことを考える一方、自分の親のことも心配にする必要がある年齢になってきました。自分の食生活はもちろん、家族の食生活を見直すきっかけとなりました。

世の中は知らないことだらけですね。

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