「あえて数字からおりる働き方」からGIVEについて考える
7/11 「あえて数字からおりる働き方」をテーマ本として、読書会を行いました。(ちなみに発売日は7/8)
とても学びが多かったので、振り返りながら、内容をまとめてみます。
本の概要
この本の一番のメッセージは
「あえて数字を追う世界からおりて、「意味のある自分」を見つける」こと。
そして、「意味のある自分」とは、「他の誰かではなく、あなたに仕事を頼みたい」と言われる、誰かにとって「意味のある」存在だと読み取りました。
いきなりインフルエンサーのように、多くの人にとっての「意味にある存在」になるのではなく、まずは身近な誰かにとって「意味のある」存在を目指す考えですね。
さらに考えを進め、誰かにとって「意味のある」存在になるためには、「有り難う」と言ってもらうGIVEを繰り返すことが大切だと書かれています。
そのGIVEには2種類あり
・内側:自分の内側にある力で、人にありがたいと思われる
自分の持っている知識やスキルで「ありがとう」と言われる
・外側:相手の立場に立って、自分の外側にあるものに思いをのせる
「あの人はきっとこれが必要だろうな」と考え、ギブする
この本では「外側」の方を「GIVE」と定義して、実践する方法が紹介されています
読書会での学び
読書会での論点として設定したのが
・私(参加者それぞれ)のGIVEした経験、された経験は何か?
それぞれの経験から、GIVEについての考えを深めていく流れで、会を進行していきました。
・新人教育はGIVEしている経験ではないか
・社外のビジネス経験豊富な人から、無償の勉強会でGIVEしてもらった。
・ちょっとしたことだが、何かの折に「手書きの手紙」を書く。これもGIVEかも
・朝ごはんをパートナーに作ってもらっている。ささやかなGIVEをされている
そんな意見が出てきました。
その中で、「手書きの手紙」をもらうとなんで嬉しいんだろう?という問いが生まれます。
なぜだと思いますか?
その問いに対して「時間軸」がポイントだという意見が出ます。
例えば、大好きな恋人への恋文を考えてみます。手紙で書くと届くまで数日かかる一方、LINEで「好き」を伝えると一瞬で伝わります。受け手の気持ちを考えると、手紙の方は取り消しができない、しかも、数日間は気持ちが変わらない前提だとと信じることができる。LINEは、取り消しができる(既読でスクショ、とかは考えない)、返信したのに既読にならないと不安、など、信じることが難しいと感じる。
その観点から、GIVEについて「有り難うを受け取るまでの時間」「人間関係の深さ」を軸にして、整理してみました。(ここからはサナフミの個人的見解)
GIVEを4象限で考える
①人間関係が深く、時間軸が長いGIVE
言わずもがな、子育てや新人教育などは、時間軸が長いGIVEになります。受け手(子どもや新人)が本当の意味で感謝するのは、数年後、数十年後になるかもしれないので。これは、『世界は贈与でできている』で語られている「贈与」と重なる部分だと思います。
ただ、子育てであっても、ときより「母の日」や「父の日」などイベント的に有り難うをもらう場面はありますね。
②人間関係が深く、時間軸が短いGIVE
これは、家庭での家事や仕事の雑務をして、誰かに感謝されること、と考えられます。「あ、ありがと」と気軽に感謝されるものです。人生の潤滑油といったところでしょうか。これができる人は、身近な人との関係が良好になり、人生が豊かになっていく気がしますね。
③人間関係が浅く、時間軸が短いGIVE
これは、SNS上で、投稿されたものに対して、コメントをする、などでしょうか。本書で書かれているGIVEはこの領域をメインに考えらえていると感じます。つまり、職場や家庭での人間関係ではない人との交流においてのGIVEです。そういった意味では、必ずしも人間関係が浅いわけではないかもしれません。
ただ、オンラインのやりとりが多いとお互いが与える影響は短期的なものがメインにならざるをえないのが、現状ですね。(今後はわかりませんが)
④人間関係が浅く、時間軸が長いGIVE
この領域の具体例を出すのが一番難しかったです。ボランティアも、基本的に短いスパンで感謝されることが多いイメージでした。災害など困ったことが起こりそれを支援し、感謝される。そう考えると短いスパンですよね。ただ、ずっと感謝され続けると考えると長いスパンです。ボランティアと一言でまとめるところに無理があるのでしょう。
また、座標に点線で区切り、「募金」と入れています。これはギブの対象がわかりづらいがゆえに、感謝される具体的な場面はないかもしれません。ただ、奨学金を受けた学生から、いつの日か、ありがとうの手紙が送られてくることもあるのかも、と妄想して、入れました。
まとめ
本書に書かれている通り、誰かにとって「意味のある」存在の
「誰か」
この対象は、具体的であればあるほど、GIVEしやすいと感じます。
特に家族や職場の人でない、オンライン上のコミュニケーションにおいては、対象が曖昧であったり、コロコロと変わりやすかったりするものです。
まずは、お互いの関係が深くなるように短期のGIVEを重ねていく。そして、GIVEの内容においても、より時間軸の長いものを与えらえるような自分であり、関係にしていくことが、本書のメッセージではないかと感じました。