縮小再生産へ
日経新聞夕刊に掲載されているピアニスト仲道郁代さんのエッセイ。心に響くものがあり、いつも愛読している。お名前は存じ上げているが、まだピアノの演奏を生で拝聴したことは無い。いつかコンサートに行きたい。
12月10日のタイトルは「持続可能な生活」。2017年にデビュー30周年を迎えた仲道さんは、「忙しいことを充実と考えて自分に負荷」をかけ続けてきたという。ジャーナリストの千葉敦子さんが、「人間には忙しい人とそうでない人がいる」と述べていたが、「多忙にしていること」からエネルギーを生み出すタイプの人もいる。仲道さんもそのようなタイプだ。
しかし、仲道さんは次の40周年に向けて考えを改めた。その結果、
「したいこと・すべきこと・しなくてもよいことを、分けて考えるようにしてみた。拡大再生産から縮小再生産へと、スケジュールや生活の見直しを図った。」
と述べている。その結果、
*ピアノ
*身体管理(食事管理とピラティス)
*勉強(音楽に関する様々と英語)
に絞ったと書いておられる。
私も若い頃はあれこれと手を広げていくことが充実だと思っていた。分刻みどころか秒刻みで仕事をする同時通訳という仕事が今も大好きだ。でも、この秒速での生き方を人間はずっと続けられるわけではない。だから私自身、仲道さん同様、3つに絞っていきたいなと感じている。
(日経新聞2022年12月10日土曜日夕刊)