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「私は世界一幸せ」と思った理由
私はマレーシアで画家、イラストレーターとして活動していて、普段は家事をしながら楽しく絵を描いて暮らしているのですが、最近ちょっと落ち込むことがありました。
それは、数ヶ月前にイベント会社の人から、マレーシアでも歴史の長い日系企業で、かなり地位の高いマレーシア人の方への絵のプレゼントの企画があると私に連絡がありました。
私はぜひやりたいですと返事をしていたのですが、その後連絡がなかったので、もうその話はなくなったと思っていたら、突然連絡があり、私に決まったみたいなので、直接やりとりして下さいとのこと。
ローカルの担当の方に電話をもらって最初はいい感じに進んでいました。追加の要望などあったので、やってくれる業者を探したり、フレーム屋さんに見積もりをもらったり。
結構大きいサイズの油絵がいいとのことだったので、できるだけ早くスタートしたいと思いつつ、内容確認のために送ったスケッチに、担当者の上司の方からコメントが色々。
もう既に色んな要望で時間が押しているのに、さらにスケッチをやり直す時間もないので、以前の作品を送って、細かいタッチなどはそちらを参照してもらって、コメントに対する要望は、実際のキャンバスで反映させますと伝えたら、担当者の人は了承してくれたのですが、もう下描きに入ってる段階なのに、「やっぱりもう一度別のスケッチを提出してくれませんか」と言ってきたので、ちょっとガックリきました。
私の予定では、3日間アートキャンプに行くので、それまでに下絵をアクリルで済ませて、3日間乾かした後に油絵具で始めようと思ったのに、計画が狂って、しかも「そのスケッチ気に入らなかったらどうなるのどうなるのですか?」と聞いたら黙ってる。。。
もう少し時間の余裕があればできるけど(涙)
信用されてないと感じて、だんだん気分が落ち込んできました。
絵は、いつもいい気分でないと私は描けません。
その時ちょうど家族で外食していたので、日本語通訳が仕事の主人に間に入ってもらって説明してもらうことにしました。
ちょっと伝えにくい内容だけど、さすが通訳さん、伝えることが仕事なので、色々追加してうまく説明してくれました。
そして次の日からアートキャンプなので、ちょっと疲れぎみで準備していたら、主人が、
「ところで、やるの?やらんの?この仕事」
って聞くので、まずは信頼してもらう事が私にとって大事なので、「スケッチ描き直さなくていいんだったらやるけど。それを相談してもらってから決めてもらってもいいし。」って言ったら、
「やるかやらんか、決めるのはこっちや!!」
って言うので、その後も予定がいっぱいになってたので、「うーーー。もうやらん。」って思わず言っちゃって、そのあと、すぐに担当者にキャンセルの電話を入れられてしまいました。(←主人は普段温厚だけど、キレると声がデカい関西弁のマレー人です)
その後、担当の方からも、「自分自身はすごく絵を気に入っていて描いてもらいたかったんだけれど、背後にいる人たちがちょっと難しくて、色々無理言って申し訳なかった」と連絡をもらって、こちらも要望に応えられず申し訳ない気持ちになりました。
本当にもうちょっと時間がほしかったです。
とりあえず、明日からのキャンプ楽しもうと思って、気を取り直しました。
2泊3日のパハン州のタマンネガラでのアートキャンプ。実際にテントで寝て、それぞれの絵を描くイベント。めっちゃワクワク。
今回は、次の絵本のイメージをつかもうと、自分の絵に集中しました!
自分では夜中まで頑張って、いいのができたと満足していたんだけれど、ちょっと引きこもって集中しすぎて、最終日の朝、一人の先生に、「なんでもっとみんなと交流して描かないの!?」って怒られてしまいました。
私は描くために来たわけで、交流しに来たわけじゃないんだけど、、、と納得できない状態で、帰り車の運転5時間。友達を送って一人になったあと、
「本当にこのキャンプ来るべきだったの?あの仕事、断るべきだったの?」
と後悔したり、落ち込んだり。
少し前にも、料理本イラストとデザインの依頼、問い合わせがあって、結局は値段が合わずに他の人に決まってしまったのですが、本当はあれもやりたかったのにってぶり返して、一人で大音量で音楽聴きながら、車で大泣きして帰りました。
帰ってから先生に急に怒られたことを主人に話したら、「電話するから番号ちょうだい」って言うから、それはやめてもらいました(^^;;
でも、絶望して泣いていたわけではなくて、きっと、この後、もっといいことがあるって自分に言い聞かせていたら、数日後に、絵を預けているバングサのギャラリーから、「コミッションオーダーできますか?」の問い合わせが!
まだ決まってはいないけど、「やっぱりきっといいことがある!」って希望が見えました。
すっかり長くなってしまいましたが、タイトルの「私は世界一幸せ」であると感じた理由について。
これは主人の部屋のテレビの一角。
主人は臨時収入がある時に、時々私の絵を買ってくれます。
こんなにたくさん買ってくれた人はまだ他にいないので、世界で最初の私の絵のコレクター。(←将来絵が高くなったら売るそうです(笑))
なかなかトントン拍子ではない時でも、1番身近にいる人が、自分のやっていることを認めてくれて、応援してくれているって、本当に有難いことだなって、改めて、心から感謝しているところです。