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ぺん紹介V ラダイト エバードロー
こんにちは。沙苗です。最近、ふと8月も終わりに近づいている事に気づかされる瞬間が多くなってきて夏の終わりと秋の始まりを感じさせる季節になったなぁ、と感じています。という事で、今日はつい先日購入した、ラダイトのエバードローを紹介したいと思います。よろしくお願いします。
エバードローについて
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エバードローはラダイトが販売している木軸のシャープペンシルです。ナガサワ文具センターのWebサイトによると一般筆記用であると書かれています。製図用シャーペンと検索して割と上位にこのエバードローの販売ページがあるのはいかがなものなのでしょうか。笑 ですがガイドパイプは3mmで製図用シャーペンとはギリギリ名乗れるスペックは持っています。本製品はラダイトの中では2024年8月現在最も新しいシャーペンです。価格は税込¥4,950です。軸色はウォールナット、チェリーウッド、ブラックウォールナット、ブラックチェリーウッドの4色です。後者2色は今年8月の新色で金属部分が前者2色とは異なりマットな黒に塗装されています。私が今回購入したのはブラックチェリーウッドです。使用されている木材がお馴染みの樹脂含浸カバ材ならばどんなものなのかはなんとなく想像はつきますがウォールナットやチェリーウッドと言われてもあまり分からなかったので調べてみた所、ウォールナットとはクルミの木、チェリーウッドとはサクラの木(と言ってもいわゆるあのサクラの木ではなさそう。)だそうです。うぅん、オシャレ。この2つの木材は前者が暗めの色で木目が縦寄り、後者は明るく横寄りに木目が入っています。S20のように軸が曲線で構成されていないと木目に逆らって切らない限り横に木目が入りにくいので珍しいのかなと思います。(木に関する知識は皆無なので間違っていたら申し訳ないです。)ただ、本製品の木目は個体差が大きく、同じチェリーウッドでも色味が薄いものから濃いものまで、さらには木目も縦寄りのものから横寄りのものまで様々な個体がありました。選べる楽しさ、というものもありますが、ネットで購入する際は多少は想像と異なるものが届く覚悟も必要そうです。ちなみに私はロフトの店頭で購入しました。
エバードローとの出会い
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エバードローは発売される前からネットで情報は知ってはいましたが先述の通り発売時は金属部分がメタリックになったものしかラインナップされていませんでした。私はペンに指紋が付いてしまうのが嫌いですので格好良いは良いのですがこれではあまり使う事無く引き出しにしまわれてしまう事は薄々目に見えていたので購入はしませんでした。また、値段も5000円に近くまさか発売後自分が買うとは思いもしませんでした。しかし、確か数日前ネットで金属部が黒色に塗装され、それもマットな質感で指紋も付きにくそうな新しいラインナップが登場した事を知り、まさに"一目惚れ"をしました。見つけた瞬間、私の所持金を一度確認したものです。
観察してみる
まずは例によって見た目から見ていきます。
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私が購入したのはチェリーウッドのもので明るめの木の両端に金属部分の黒色があり、締まりがある見た目となっています。金属部は粉を吹いたようなマットな質感でグラフ1000などとはまた違った上質な質感となっています。木軸もこれまた絶妙な光沢になっていて金属のマットな感じと木軸の艶やかな質感との組み合わせがとても良いです。あ、でもしかし使い込んでいく内に塗装が剥げてしまうなんて事はあるかもしれませんね。まだほとんど使っていないので分かりませんが。
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口金の形状は少し特徴的な形をしています。なめらかな雰囲気もありつつ少し重厚な感じも持ち合わせています。以前記事で紹介したプロユース1000とも少し似ている気がします。またグリップ部の形状はただの窪みが何重にも重なっているだけではなく、なんとスパイラル形状になっています。恐らくですがエバードローとい名前からEver、つまり継続的なイメージを表わす、という事で永続的なイメージを感じさせるスパイラル形状としたのではないでしょうか。
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クリップの質感は特にその上質さを感じやすく、金属が光沢のものとはまた違う魅力を感じていただけると思います。形状に関しては恐らくテックドロー2と同じものだと思います。固めです。
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クリップの上面の部分を下に折り曲げた形状になっていてよくこの形状を再現したな、と感心しました。
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木材の質感はもはや言う事が無く、所々見られる透明感のある模様がとても美しいです。これは恐らく実物でないと確認できないと思いますので是非読者の方にも手に取っていただきたい所です。
またノック部分は個人的に私が好きな直線状になっていてシンプルで洗練されたイメージがあります。逆にグラフ1000の様な硬度表示窓がノック部についているタイプのものはコストの問題からか軸寄りの所が光沢ある質感になっているものが多く、そこにデザインの統一性を見出す事ができなくなってしまっているため私はあまり好みではありません。ただしこれは軸寄りの所が光沢の質感になっているもののみでその限りではありません。
とにかく、このペンは全体的な質感が恐ろしい程高く、「とは言え少しこの部分が気になるなぁ、、、」といった所が皆無です。妥協が全く無いのです。またデザインも全てがシンプルかつ美しくまとまっていてまるで家具のような雰囲気です。
次は書き味について
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よりも恐怖なのでここまでで分解は諦めた。
クオリティの高さは見た目だけではなく書き味も最高です。まだ数日しか使用していないですがこの時点でもう過去最高と言って良い程です。、、、とは言いつつも私がこれから出会うであろう様々な筆記具への期待も込めて"最高"としておくのはやめておきましょう、、、。ともかく、書き味も本当にレベルが高いのです。まずその原因としてはグリップの太さです。細すぎず太すぎず、でも少し太いより位のこの幅が極めて絶妙なのです。とても快適な握り心地です。
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そしてこの書き味の良さをさらに引き出しているのが剛性の高さです。写真の様に芯タンクと軸の間が驚くべき程隙間が少なく、筆記時にカチャカチャとなってしまう事もありません。さらに材質も金属であるためラバーの様に劣化しづらく、また滑りづらいという2つを兼ね備えています。そして私が筆記具を選ぶ上でかなり重要な事として筆記具に指紋がつきにくい、というものがあるのですがそれもブラックのマットな塗装、という事で難無くクリアしてしまっています。
そんな訳で見た目はもちろん書き味も最高な一本です。多少見た目が気に入らなかったとしても書き味だけで5000円の価値は十分にあると思います。
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おわりに
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全てが完璧に近いと思えるMPでした。特別な機構や特徴が無くても上質な筆記感やフォルムからはきっと「書く」のレベルを上げてくれるに違いないでしょう。その数は決して多くは無いとは思いますが恐らく少なくとも多くの人が所有しているであろう筆記具の数よりも多くの筆記具を持っている私ですがMPには2つの種類があります。「使うペン」と「使わないペン」の2つです。当たり前な話ではありますが自然と全てのMPがこの2つに分類され、よく使うペンというものが決められるのです。これはあくまで私の話ではありますが共感していただける方もいらっしゃると思います。そしてこのエバードローは「使うペン」だと思うのです。こんなにもバランスが整ったペンは見た事がありません。これは使わざるをえないですね。あぁ、これだと恐らく一軍筆箱の中に収まる未来は見えています。きっと楽しき筆記具生活を展開してくれる事でしょう。楽しみだ。
では今日はこの位にしましょう。では、さようなら。良い夏を。
追記
エバードローの分解時に口金だけ外れて芯タンクが外れないとのコメントを頂きましたので追記として書いておきます。
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写真は芯タンクの先の部分を写したもので口金側に細いねじ、ノック側に太いねじがある事がわかります。細いねじは口金用、太いねじは軸用です。つまりこの芯タンクに口金と軸の2つが付いているという事です。先述の通り最初に私が分解した時は口金のねじが外れておらず、軸のねじのみ回り外れた、という事になります。逆に頂いたコメントでは口金のねじのみ外れた、という事になりますね。私も最初に分解した時はねじがかなり固く締まっていましたので個体によって最初の外れ方も変わってくるのかもしれません。
私は壊れるのが怖くて分解しきれずにいましたが口金も分解できる事を知れました。何かに恐れ、やりきれずにいる事も尽くせる限りまでやってみるのも良いという事ですね。(しかし私は時折そこで"尽くせる限り"を突破してしまう事があるのです笑)新しい発見をありがとうございました。
24.8.19.Mon
沙苗