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ぺん紹介 III プラチナ プロユース MSD-1000

こんにちは。沙苗です。
最近プロユースの新製品が増えてきて面白くなってきたなぁと思っているこの頃ですが、今日は最近のプラチナの大量絶滅ならぬ大量廃番に巻き込まれてしまった通称プロユース1000(以後MSD-1000はプロユース1000と呼ぶ事とします。)を紹介したいと思います。一時期は一軍で使っていた時もあったので使用面でも詳しく書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

プロユース1000との出会い

プロユースの存在はこれを購入する前からカタログなどを見ていて知っていましたが2022年にカタログを見て廃番と知り、急いで購入したものです。本当はツチノコと呼ばれているMSD-1500が欲しかったのですが既にネットではどこも売り切れ状態でやむなくこのプロユース1000をを買ったのです。私が持っているのは0.3mmです。また、その時ちょうど一軍で使用していたペンを新しいものに変えようかと考えていた時だったので一時期にはなりますがかなり使用していました。

プロユース1000(MSD-1000)について

そういえば「USE」を「ユース」と呼ぶのって
珍しめなのでは?そんな事ないか?

1999年発売の製図用シャープペンです。見た目からも恐らくツチノコ(MSD-1500)も同時かかなり近い時期に発売されたものと思われます。発売年から考えるとガチな製図用というより一般筆記としても使う事の出来るMPという性格も持ち備えていると思います。プロユースブランドは他のメーカーの製図用MPとは違い良い意味で歴史が浅いものであるため曲線を主体とした思い切ったデザインが採用されていてプロユースの独自性が垣間見れます。また本製品には旧型と新型がありプラチナのロゴやグリップの素材によって見分ける事ができます。ちなみに私が所有しているのは新型です。

新型のロゴ。旧型は「PLATINUM」とアルファベットのみが記されている。
新型のグリップ。旧型よりもザラザラとした
加工が施されている。

詳しくみてみる

ここからは私の感想も混じえ解説していきます。まずは見た目から。


曲線を多用した製図用MPらしからぬフォルムで近未来的な雰囲気を醸し出しています。芯径によるデザインの違いも硬度表示窓の加工に留まっており、全体が銀色でシンプルにまとまっています。ただ、銀色であると言う事と製図用であるという事が重なってかステッドラーの925 15とかなり似た外見となっています。偶然か分かりませんが互換性があるパーツもある様です。OEMとまでは言いませんが925 15を開発の際に参考にはしたのかもしれません。ちなみに硬度表示窓の加工は0.3mmがメッキ加工、0.5mmが軸と同じ加工、0.7mmが軸よりも粗く、若干色が濃い加工となっています。硬度表示窓の位置や加工の違いからもパッと見ではぺんてるの製図用MP程芯径の違いは分かりやすそうではありませんが先程書いた通り一般筆記にも使える製図用MPという事でそこはデザインを重視したのでしょうか。そしてこのプロユース、デザインでは好みでは無い人も多い様で具体的にはどんな所かというとロゴなのだそうです。

普通とは逆の斜体になっている。

確かにカッチリとしたゴシック体が多い製図用MPの中でこの独特なフォントは結構異彩を放っています。ただ、私はこのロゴ、大好きです。なんてったってこのプロユース特有の曲線のフォルムとこれ以上無い程マッチしていると思いませんか。中抜きされ、軽やかでありつつ独特な雰囲気があるこのフォントはプロユースだからこそ似合うものだと思います。ただ、最近のプロユースはいかにも製図用な見た目をしたものが多く、というか現行品は全てそれになってしまい、ロゴだけ置いてけぼりをくらった感じになっていますが、私はこれも逆に好きです。(おいおいおい、お前何でも好きじゃねぇか!?と思った方、その通りです。どんな商品があってもそれが存在する以上私はその存在を否定する事なぞあまりしないのです。あくまであまり、ではありますが。)なんだかミスマッチな所があるのもそれも愛嬌です。伝統的なファーバーカステルなのに世界初の自動芯出し機構という最先端を作った、みたいな。

分解してみた。私ができていないのかもしれないが
グリップは外れなかった。
重心はだいたいこの位の位置だった。


この様に製図用MPとしてはかなり特徴的な見た目をしたこのMP、見た目としてはかなり良いのですが使用感がとても低いのです。という事で次は使用感を見ていきます。
正直言ってかなり使いにくいです。見た目が格好良いだけあって残念です。まずグリップが持ちづらすぎます。横に数本入っただけの溝がグリップであり、そもそもの素材が金属で滑りやすく、冬の乾燥した日なんかはそれはまぁ滑りまくります。グリップ部が軸よりも太くなっていて持ちやすそうには見えますがそもそも軸が細いのでグリップも細めです。0.3mmに限りますが、手汗をかいた時にはグリップの近くにある硬度表示窓に指紋が沢山付いてしまいます。また、グリップの位置もかなり低く指の先がもう紙面、みたいな状況になります。それによってなのか私が使っているのが0.3mmであるかなのかは分かりませんが少なくとも0.3mmのものはかなり芯が折れやすい気がします。スマッシュの0.3mmなんかよりずっと折れやすいです。(このプロユース1000の後、スマッシュの0.3mmを一軍で使っていた。)

問題のグリップ
同じく0.3mmのグラフギア1000との2ショット。
こう見るとグリップがかなり口金寄りなのが分かる。

さらに内部の芯タンクと軸が全く接着されておらず、文字を書くたびにカチャカチャと音を奏でます。ちょっと気になります。

隙間がデカすぎるんだよなぁ

おわりに

といった感じで見た目だけがイカしていて機能性はかなり低いプロユース1000のご紹介でした。ただ、格好良さだけに関しては私はピカイチだと思いますのでコレクションとして購入するのは有りだと思います。ツチノコでなくこのプロユース1000ならばまだネットでも購入する事はできると思います。実店舗では取り扱いが少ないのがネックですけどね。
今日も読んでいただきありがとうございます。では、また会いましょう。さようなら。良い夏を。

24.8.6.Tue
沙苗