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ぺん紹介VI ステッドラー 770新型
こんにちは。沙苗です。今回は最近ステッドラーからまさかの復活を果たした770の紹介をします。記事では復刻前のモデルを770旧型、復刻されたモデルを770新型と書きます。
770新型について
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ステッドラー770(新型)は公式によると2024年の9月下旬から発売されるシャーペンです。とは言いつつも既にロフトなどの文具販売店では販売されているようです。実際、私もロフトで購入しました。情報がリークされたのは8月9日です。最初は「THE CLASSIC」と称され、正体を明かしていませんでしたがシルエット的におおよそは分かりそうなものでした笑。
基本情報は以下のものです。(公式サイトより引用。)
商品名:ステッドラー 製図用シャープペンシル 770
線幅(品番):0.3mm(770 13N)、0.5mm(770 15N)、0.7mm(770 17N)、0.9mm(770 19N)
価格:1,540円(税込)
品番を見ると分かる通り770と記された後には1と芯径がありその後にNとあります。これは恐らく本製品が復刻版である事を示す「New」の頭文字をとったものでしょう。
770旧型について
あいにく私は770のかつて販売されていたものを持っていないので詳しい事は言えませんが簡単に書いておきます。
770の旧型は1978年に発売され、1990年までの12年間に渡り販売された製図用シャープペンシルです。価格は1,200円でした。シンプルながらもステッドラーらしく、さらに製図用な見た目はとても格好良いです。
770新型との出会い
YouTube上のある動画で復刻を知りました。ふと見た動画でその事を知り、まさかこんなペンがステッドラーから出るなんて思いもしなかったので驚きました。それからしばらくし、立ち寄ったロフトで770と対面し、購入しました。こんな古めかしいペンが新製品なんて実物を見た時はちょっと戸惑ってしまいましたね。
観察してみる
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まずは見た目から。
マルステクニコの様な青軸とローレットの組み合わせは非常に安定感のあるデザインで格好良いです。ただ、軸はマルステクニコとは違いマットな質感となっています。クラシカルな雰囲気を出すならば艶ありにした方が良いのではと思いましたがそうすると逆にチープな感じになってしまうのかもしれません。といってもこのマットな質感もチープではないかと言われたら頷いてしまうのも分からなくも無いですが。
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この様に若干長めなクリップにはマルスヘッドが刻印されています。この部分は指紋が付きそうです。また製造の過程でそうなるのか、細い筋の様なものも見られます。軸はよく見てみるとパーティングラインも見られ、少々安っぽいです。悪い言い方ですが100均のおもちゃなどにありそうな質感です。
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ノック部には芯径を表す「.5」の文字が刻印されています。細かい部品にも丁寧な加工がされていて良いですね。
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硬度表示窓は珍しいクリップと一体化したものクリップを回す事により同時に表示する硬度も変わります。他だとトンボのLZくらいでしか聞いたことが無いタイプです。しかしこのタイプは硬度表示窓に軸に対して占める割合が大きいクリップが付いているために例えば使用している方も多そうな硬度Bにするとこの様にロゴと被ってしまいます。特徴がクリップと一体化した硬度表示窓であり欠点がクリップと一体化した硬度表示窓と言われてしまいそうで少し残念です。
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販売時はこの様におなじみのステッドラーのシースに入って販売されていました。ステッドラーがシースに入れて販売するのは主力商品である925 25や35のローレットがかなりきつく、互いに傷つけあってしまうからだろうと思いますがこの770のローレットならば傷つけてしまう心配は必要無さそうです。まぁ、シースが無いよりは良い、という事で喜んでいただきますが。
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パネェ
今は無き独製製図用シャーペンと並べてみました。こう見ても全く違和感がないです。凄いですね。
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この様に普遍的である様に見えるものの、よく見ると少し独特な770新型ですが書き味はどうなのでしょうか。
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書き味はと言うと何だか"細い"感じです。0.3mm芯で書いている様なイメージでスマッシュの様に殴り書きができるペンとは真逆の書き味だと考えていただいて差し支えないでしょう。さらに光沢仕上げのクリップもあり、指紋が付くのが筆記時に気になってしまい私はあまり好きな書き味ではありませんでした。試し書きができるお店があるのなら書いてみる事をおすすめします。
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重心。私は重心位置といった画一的な評価基準はシャーペンには一概に言えない気がするのであまり好きではありませんが資料の1つとして載せておきます。
総評
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見た目は良い、書き味は好みでない。というのが私の感想です。ですがその見た目もあくまで復刻され蘇ったものでありこの770新型の完全なるアイデンティティではないためどこか物足りなく、なんだかなぁ、、、といった所です。(というか見た目でさえ少しチープな感じはする。)ただ、こんな廃番然としたペンが店頭でピカピカの新品で陳列されている様はまさしく異様なものでありそこに魅力を感じてしまうのも事実でしょう。コンセプトは面白く珍しいペンである事には変わりないと思いますので買ってみるのも良いかもしれません。
おわりに
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なんだか不思議なペンでした。高性能シャープペンシルが続々と発売される昨今にこんなにもシンプルに"書く"を追求したシャーペンが発売されるなんて面白いと思いませんか?、、、書き味はともかくもこの夏最後に爽やかな青軸のこのペンを購入してみるのも良いのでは無いのでしょうか。今でも遅くはありません。さあ、ロフトに向けて、家を出ましょう!、、、()
24.8.31
沙苗
追記
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この記事を投稿した時に入れ忘れていた絵があったので追加しました。今回登場した770新型と770旧型の主な相違点です。
(25.2.3.Mon.)