不調の巧妙
*2021年12月12日初出。
上京しております。虫垂炎手術後検診を終えたトラ子と一緒にまいりました。でもトラ子宅には行きません。今回の上京の主目的は、兄に会うこと。
あまりブログに登場しませんが、私には兄がいます。学年で4年、年齢は3つ違い。なので、私が中学3年の時にはもう大学進学で離れて住んでいました。以来45年。海外勤務が長かったこともあり、自ずと疎遠になってしまいました。
そんな兄も2年前、一応の区切りとして定年を迎え、現在は嘱託として(コロナ禍もあり)在宅勤務で悠々自適、好きなバイクの手入れをして過ごす毎日を送っていたようです。
…が、ある朝異変。起きがけに腰の激痛に見舞われ、そのまま動けなくなり、日常生活に支障を来たすようになった、との連絡を母経由で受けて、今回の私の上京となった次第です。
なんで妹であるSanae出動?
奥さんは?
その疑問、ごもっともです。
義姉は(悲しすぎてこれまで書いたことは一度もありませんが)8年前、急逝しました。3人の子どもたちも立派に育ち、兄を気遣ってはいますが、なんせ忙しい。彼ら甥、姪からの要請と母からの様子を見て来いというミッションをコンプリートするというのが今回の上京目的だったのです。
鎌倉でトラ子と別れた後、兄宅に向かいました。慣れないバス移動で迷いに迷い、約束の時間を大幅に遅れて到着。甥っ子夫婦も来ていて4人で食事。一時は全く身動き取れなかったという兄も治療の効果があったらしく、ずいぶん状態は良くなっていて安心しました。
上京中、何度かまた様子を見にいく旨を伝え、甥っ子の車で宿泊先のホテルに送ってもらいました。「Sanaeちゃん、オヤジのことよろしくお願いします。」という甥っ子のセリフ、ツボでした。笑笑。
ここ3か月の週一実家訪問についてもそう思うのですが、人間、どこか弱った時にSOSを出せる相手がいることはやはり大事。実際のところ、土地勘もない私は何の役にも立たないポンコツなわけですが、おそらくそれでも上京してきてくれた、というところが大切なんだろうなと思うのです。
元気な時には思いもしない、いやむしろ煩わしいこともあるかもしれない家族、親族関係。母の老いや兄の不慮の不調が、その関係性の見直しのきっかけになりました。病気にも見るべき点があるなあと、相変わらず能天気なワタクシでございます。