FC町田ゼルビア #3 昌子 源の上手さ
FC町田ゼルビア #3 昌子源とは
2024シーズンのはじめ、鹿島アントラーズから完全移籍で獲得したディフェンダーである。メインのポジションはセンターバック、以前所属していたチームではサイドバックも務めたことがある。
主な経歴
・1992年生まれ
・兵庫県出身
・米子北高校→鹿島アントラーズ(2011~2018)→トゥールーズFC(2019~2020)
→ガンバ大阪(2020~2022)→鹿島アントラーズ(2023)→FC町田ゼルビア(2024~)
・日本代表 2014 初選出 2015 ウズベキスタン戦デビュー
2018 ロシアワールドカップ出場
プレースタイル
彼の特徴はキック精度の高さ・カバーリング能力・足元の技術にある。
CBとして能力の高い選手であり空中戦については高校時代、当時、京都サンガF.C監督である秋田豊に指導を受けたこと・鹿島アントラーズの練習参加で岩政大樹から直接指導を受けたことが影響している。
2024シーズン、彼の安定した守備のおかげで助けられた場面は沢山あった。
ホーム最終戦、昌子選手が見せたゴール前での胸トラップからのクリアは記憶に新しいだろう。
またアウェー柏戦で見せた細谷選手を完封したあの守備も有名である。
多彩なプレーヤ―だから与えれられるタスク
基本的に4バックの時は#5 ドレシェヴィッチ選手と組むことが多い。
ドレシェヴィッチ選手はボールを前線に蹴るだけでなく、足元の技術も高いため運んでビルドアップに参加する傾向がある。その時、昌司選手は後ろに空いたスペースを守備するようになる。昌子選手のほうが足の速さ・危機察知能力に長けているため守備の安定のために前にはあまり上がらないタスクを遂行していることが試合中見られる。そのためカウンターをくらった時、昌子選手がタッチラインまで迎撃に出ていくこともよくある。あの足の速さと危機察知能力はCBとしては非常に武器となっている。
3バック時は3CBのサイドに置かれることが多い。
右からドレッシェヴィッチ選手・チャン・ミンギュ選手・昌子選手と並ぶ。
基本的に昌子選手はビルドアップにおいてボールを運ぶ・ロングフィードで
前線の選手への配給に分けられる。その中でもボールを運んでビルドアップが非常に上手い。また運んだ先で持ち前のキックで逆サイドに展開してチャンスメイクができる。昌子選手から逆サイドの望月選手への配給をしているシーンはよく見られ、望月選手も自分から切り込めるため相手からしたら脅威でしかない。
3バック時の役割
3バックの時、CBには4バックとは違う役割を求められる。
※基本的に4-4-2で相手は守ってくるので相手の陣形は4-4-2にしてある。
この図を見てほしい。青が町田 赤が敵チーム
仮にボールホルダーが町田だとしよう。3CBでのビルドアップにおいて2CBとの違いはボールをCBが運び攻撃に参加しやすくなるという点である。
なぜそう言えるのかはこの図を見てほしい。
4番と2番ののCBの前には味方の選手がいない広大なスペースが存在する。(青〇)
前に選手はいるものの1つのラインを越えているのであり青い〇の部分でボールを受けられる選手はこのポジショニング上いないことになる。
逆に言ってしまえば普段中盤の選手がおりてきてボールを受けていたのに対しCBが上がることによってその分フリーとなるので前線に人数をかけることができる。昌子選手・ドレッシェヴィッチ選手はボールを運ぶことに長けているため最適な配置となる。中央のCBにはチャン・ミンギュ選手のように当たりで負けない選手、ハードプレスな選手が求められる。
2トップにとって3バックは厄介
3バックとして守ることは2トップのプレス回避が容易となる仮に相手の2トップが激しくプレスをかけてきたとしても3人いれば鳥かごのようにボールを回されて相手からしたら、ただただ疲れるだけなのだ。もっと言えば、ボランチがおりてきて3CB含め4人で2トップを囲めばボールを奪うのは厳しいだろう。(もはや、いじめのようなもの)
じゃあボールを奪いに行かなければいいのかと思う人もいるが、ボールを奪いに行かなければその分CBもボールを運ぶのが容易になるため味方からしたら前線を上げることになり、相手からしたらラインを下げることとなる。
このように話していると「3バック最強じゃね?」となるが相手のラインを下げれば下げるほどゴール付近で激しいプレスを受けることになるため、ビルドアップがしやすい一例と捉えてもらいたい。
これらのことを理解し周りの選手を動かしている場面を是非試合で注目していただきたい。彼のポジショニング・ボールの受け方・プレーの判断を見ていても勉強になることがたくさんある。今回はFC町田ゼルビア#3 昌子 源がどのような選手で試合の中でどのようなタスクを行っているかを解説してきた。DAZNなどで見返すことがあれば注目していただきたい。
まとめ
昌子選手のように様々なタスクを高いレベルでこなせる選手はそういない。
彼が今まで様々な敵と戦ってきたからこそできることであって、彼の経験値は自身のプレーに生きている。Jリーグアウォーズに選ばれる選手としてふさわしい選手だと思う。
キャリアも終盤に差し掛かってきている昌子選手がこれから町田にもたらすもの、チームのなかでのはたらきが非常に気になる。
前々回のワールドカップ、ベルギーのカウンターを受けた時、最後まで走っていた昌子選手の姿は今でも思い出す。
来年の活躍が非常に楽しみだ。