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「数学」は解けるのに「算数」ができない大人たち

昔「生涯収入5億円」を、共通目標として掲げていたことがありますが。日本居住の日本人の場合、「収入5億」では、税引き後の手取りベースだと、実は大した金融資産にならないのですね・・・。「給与所得」を沢山もらっても、手元にお金が残らない社会構造。しかし、「給与所得」からの税収で社会が成り立っているのだ・・・と大義名分を掲げられるとそこから先は何も言えません。

この部分は日本独特の構造なので、日本に腰を据えて春夏秋冬を存分に味わいたい場合は。この部分に、抗うことは絶対にできないわけです。「それが嫌なら、日本から出ていきなさい!」ということなのですからね。すると目標設定としては、「収入基準」ではなくて、世帯における「金融資産基準」にした方が適切であると考えたわけです。

夫婦を中心とした家族が、どんな方法で所得を手に入れるのか?どんな役割分担をするのか?子どもたちがそこに絡むのか?絡まないのか?やはり、家族「ワンチーム」で取り組む活動。例えば、旦那さんが普通のサラリーマンをしていて、給与所得をもらい続けている中で。奥さんが、会社法人の代表となり、現役サラリーマンの旦那さんができない役割を担う形で、夫婦一丸となり取り組むことで「金融資産」を高めている・・・。

最近では、「中学生の娘が「ケイタ式手伝って稼いでます!」なんてケースも出てきている位で。他にも、「株式」を中心とした投資の活動の中でも、学歴、職歴、性別、年齢、才能一切関係無く、家族全員が参戦して稼ぐことができる状態でもあるし。世帯の「金融資産」というのが、掲げる「お金系目標」としては一番しっくりくるものであると、改めて思います。

そんな中で、参考になる指標が、「野村総合研究所」が何年かに一度、発表している。「純金融資産保有額の階層別にみた 保有資産規模と世帯数」というわけです。この調査対象は、日本に居住している方々なので。日本国内というルールの中での、目標設定や、現状把握における指標としては、参考になるものだと思います。

現在地と目標までの距離と難易度

何か、目標を掲げて挑戦する時には、必ず現在自分がどこにいるのか?目標として掲げる位置の難易度はどの程度のものなのか?限りある年月の中で、現実味があるのか、無いのか?イキナリ走り出してしまう前に、まずはこの部分を、曖昧な要素無く、できる限りクリティカルに分析して把握しておくことが求められます。

その際、参考として用いるのが、この「純金融資産保有額」のデータ。預貯金、株式、債券、投資信託一時払い生命保険や年金保険など。世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた、「純金融資産保有額」を元に、総世帯を5つの階層に分類。

・超富裕層(5億円以上)
 97兆円・6.2%
 8.7万世帯・0.2%
 1世帯当たり金融資産:11.1億円

・富裕層(1億円以上5億円未満)
 236兆円・15.2%
 124.0万世帯・2.3%
 1世帯当たり金融資産:1.9億円

・準富裕層(5,000万円以上1億円未満)
 255兆円・16.4%
 341.8万世帯・6.3%
 1世帯当たり金融資産:7,461万円

・アッパーマス層(3,000万円以上5,000万円未満)
 310兆円・19.9%
 712.1万世帯・13.2%
 1世帯当たり金融資産:4,353万円

・マス層(3,000万円未満)
 656兆円・42.2%
 4215.7万世帯・78.0%
 1世帯あたり金融資産:1,556万円

自分たち家族チームが、今どこの層に属しているのか?これから10年、20年などの期間でどこの層を目指したいのか?階層を上げていく手段があるのか?無いのか?真剣に数字と向き合い、家族会議を通して、話し合う必要があります。当然ながら、78.0%もの世帯数がいる「マス層」と呼ばれる方々は、沢山いる。

アッパーマス(13.2%)=偏差値61
  ↓
準富裕層(6.3%)=偏差値65
  ↓
富裕層(2.3%)=偏差値70
  ↓
超富裕層(0.2%)=偏差値79

上位層に行こうとすればするほど、席の数が減り、難易度が上昇します。パーセンテージが出てくるということは、中学・高校・大学受験のような「偏差値」も出てくるので。難易度を図る一つの目安として活用できる指標になると思います。

大学偏差値70台でも社会で負ける理由

大学受験の中でも、「◯◯大学合格目指して全国模試偏差値目指せ70!」と掲げたりして、学生さんたちが、真剣に勉強に励んでいると思いますが。やはり、席の数が少ないモノ・コトを成し遂げるためには、大人であったとしても同様のことが求められます。ところが、大人の世界の難しさは。正解が書かれている教科書が存在しないということだと思います。

例えば、「大学共通テスト(旧センター試験)」では、どれだけ出題された問題が難しくても。北は北海道、南は沖縄まで、誰が採点しても、全く同じ答えになる。正解は正解。不正解は不正解。北海道では正解だけど、沖縄は不正解。というような問題は、存在しません。だから、偏差値を高めようとした場合の手段というものは、未成年の学生でも、比較的容易に入手可能です。あとは、本人にやる気があるかどうか、という部分に集約されて来ます。

ところが、「おとなの偏差値」は同じようにはなりません。日本の最高学歴、東大卒業生でも、卒業生の平均年収730万くらいになってしまうように。大学受験時の偏差値が70台だったからと言って、「おとなの偏差値」もそのまま70台ということにはそう簡単にならないのです。

例えば、東大を卒業して、東証一部上場企業に就職したとします。両親からもらえたお金は0円という状態で、100%自力で給与所得で、世帯金融資産マス層(3,000万未満)の最下層スタートで。最上層の「超富裕層(5億円以上)」を目指すと決めます。

東大合格にあたり、全国模試の偏差値79を獲得した経験もあり。その時の経験を武器にもう一度はちまきを締めて、「よし!目指せ超富裕層!」目標を高らかに掲げて、取り組みを開始したとします。その手段として選択したのは、今勤務している会社で、「課長」の職位に就くこと。課長になれば、年収1,000万に到達するので、気合を入れて頑張ることにしました。

難しい数学は解けるのに算数ができない

主任、係長、課長補佐・・・順当に、出世昇進を積み重ねて。35歳で課長になり年収1,000万をもらえるようになれました。ところが・・・その時フト気づいてしまうのです。1,000万の税引き後の手取りはたったの730万。年間生活費を500万に抑えて貯金できる金額は年230万。すると、金融資産5億円までに、218年間もかかってしまう計算になります。

生活水準を上げることなく、45歳までに、2,300万貯金55歳までに4,600万の貯金貯金を積み重ねますが、55歳からは役職定年で給料約30%ダウン。60歳からは再雇用で給料約50%ダウン。55歳以降には、まともに貯金ができなくなる計算になります。

つまり、100%以上未達で終わる。22歳スタートで55歳まで真剣に頑張り続けて。ようやく、到達できたのが金融資産3,000万以上5,000万未満の「アッパーマス層(13.2%)=偏差値61」だったのです。「大学共通テスト」では、ものすごく難しい数学を解答できていたのに。「5億 ÷ (730万 - 500万)≒ 218年」社会では、割り算と引き算しか使っていない小学生レベルの算数で引っかかって未達のまま人生が終わる。

このような、大きな落とし穴にハマってしまう方々が世の中大多数。そして、これが社会で勝ち上がることの難しさでもあると思います。これほど単純な方程式を解けない高学歴の方々が、実際に世の中沢山いるのですから。けれども、ここに僕たちのような、学歴・職歴・才能などが乏しい凡人の逆転チャンスが存在します。

なぜか、微分積分などをスラスラ解答できる天才君たちでも。単純な算数でズッコケてしまう領域。つまり、彼らはそもそも自らレースを辞退して下さっている状態。競争そのものに実質的に参加していない。やり方を知っているだけで、「簡単」とは言えませんが、いくらでも、大多数の方々に勝ち続ける方法がある。「超富裕層(0.2%)=偏差値79」は、やはりこの領域でも、ヤバいやつらばかりになってくるので、そう簡単に昇れるわけではないかもしれませんが。少なくとも、

アッパーマス(13.2%)=偏差値61
  ↓
準富裕層(6.3%)=偏差値65
  ↓
富裕層(2.3%)=偏差値70

の方々であれば、何かしらの部分で穴だらけなので。「勝ち方」さえ知っていれば、後は年月の経過と共に、勝ち上がることができると思います。けれども、「マス層」スタートの僕たちでも、「超富裕層(0.2%)=偏差値79」に勝ち上がり昇る手段が存在するということ自体が。すでに激アツなことであると思います。手段が無いのと、あるのとでは、大違いですからね。せっかく目の前に、「勝ち方」が存在しているのですから、後はそれぞれの「家族チーム」に、やる気があるかどうか?ただそれだけの問題になりますね。

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