カモシカじゃなくてシカカモ。2020/01/12神掛岩。
昨夜はカモシカをみた興奮そのままに記事を書き、本日予定のくじゅう連山縦走に備えて早目に床についた。まどろみからいよいよ眠りに落ちようとした刹那、カミさんからメッセージがきた。
「あんたの動画見たけど、あれはカモシカじゃなくて鹿だよ」
一瞬で目が覚める。即レス。
「一応ネットで調べたんだけど」
カミさんからも即レス。
「画像は遠くてわからんけど、あの、ジャグラーがペカッた時のような鳴き声は鹿だよ」
彼女は、パチンコと動物を愛する。特に動物に関してはアニマルプラネットやナショジオ、志村動物園までチェックしていて、その知識は刮目すべきものがある。僕は腕組みして唸った。そして夜中の2時頃まで寝付けなかった。
だがしかし、朝6時には起きた。そして
「カモシカじゃなくてシカカモ」確認のため、朝からまた祖母山登山口。こういうことはすぐ実証したくなる。
今日の駐車場には、山で作業を行う方が数名先客でいた。
本日目的は山頂に非ず。とはいえ、昨日の目撃現場にただ行くだけでは芸がない。
登山口に置いてあったパンフレットに、神掛岩というマニアックなスポットが書いてあった。この方面に行けば、目撃現場の裏手を通ることになる。
ケモノよ。人間には知恵というものがある。どこの国から来たかよく分からん顔のヤツが、昨日いた所の裏から現れる。驚くとよかろう!
しかも登山地図には載っていない道なので、人もいなさそう。確認にはちょうど良いコースと思えた。
五合目小屋の裏の橋を渡り。
目指すは神様が座ったという「神掛岩」
アプローチには階段もあった。
でもちょっと行くと、踏み跡が明瞭ではなく、リボンを目印に進む。道標も要所にはあって、ちゃんとしてれば迷うことはない。
それにしても、この樹皮が剥げたような木をちょくちょくみるんだけど、枯れてるようでもないし、なんだろね?
薄皮があってペラペラしとるのよね。これ人工物なのか?でも結構あるし、木の上から下まで、これだけの何かを塗るのは無理だよね。
とにかく祖母山は滝だらけ。
渡渉して進む。
ここらへんが、昨日の目撃現場の裏手だ。すると
昨日の鳴き声が聞こえてきたが、姿は見えず。
ムムム。この鳴き声がそんなにレアじゃないってことはやっぱりシカカモね。ちょっとガッカリしつつも先に進もう。
林を抜け、
そうそう。この木。とりあえず「すっぴんの木」と名付けた。
なんか面白い木があったので接近。すると奥に
「すっぴんの木」だらけのエリアが!それともこのエリアが、なんか呪いか祝福でも受けているのか?
親切にも木の名前が書いてありました。すっぴんの木の正式名称は「ヒメシャラ」
垂直によく伸び、高さ15m、胸高直径90cmに達する。若木のうちは灰色の細かくざらついた樹皮であるが、成長するに従いこのような樹皮ははがれ、次第に赤褐色のごく薄い樹皮に変わる。この樹皮は細かい鱗状にはがれるが、全体としては明るい赤褐色のつるつるしたものに見え、森林内ではひときわ目立つものである。
出典元:wikipedia「ヒメシャラ」
ヒメシャラ地帯を登ると「メンノツラ越」へ左に行くと神掛岩だ。
馬の瀬というか、悍馬のように痩せてない尾根を少し下る。
リボンもバッチリあります。
来ました!断崖です。
岩には登ったけど、怖くて先っぽまでは行けない。
このタイミングで、風がビュービュー吹きはじめ、小雪がチラつきはじめる。
風が強くて、手がかじかむので、ちょっと戻り林に入って風よけて、現在地をチェック。地図にはない登山道なのよね。
メンノツラ越まで帰ってきました。踏み跡もあるし、折角だからちょっとだけメンノツラ方面に行ってみます。もしここからメンノツラルートに出られたら、そこから祖母山頂上に行って、神原ルートで降りる周回コースができる。
あ〜。リボンも巻いてあって行けそう。尾根づたいだなぁ。できたら合流地点まで行って所用時間を確認したいけど、小雪がなぁ。もし下の方まで雪になったら、車がスタッドレスタイヤじゃないから、身動き取れなくなる。サッサと帰ります。
帰り道。駐車場でお会いした方々が作業してました。山芍薬保全のロープ張ってらっしゃる。
挨拶すると「4月頃は凄いからおいでね」と笑顔で応えられた。
折角だし、まずメンノツラ越からメンノツラルートに出れるが尋ねると、そこは小松尾根というらしく、真っ直ぐ進めばメンノツラルートの後半と合流することが判明。メンノツラルート入ると「なかなか急登よ」と教えて頂いた。これは面白そうだ。
そして核心の質問
「あのキュンキュン鳴いてるのは鹿なんですか?」
「そうだよ」
即答。
「あの。カモシカは?」
「カモシカは、何年も見てないなぁ。いるはいる」これにて「シカカモ」は「シカ」で確定。やっぱり特別天然記念物は甘くない。
カモシカは誤報でした。すいません。
しかし誤報でユーチューバーデビューしちゃったよ。とんだフェイクニース野郎になってしまった。
色々と教えてもらったお礼を述べて、オジさま方を残し、サクサク下ります。下るにつれて、風も小雪もおさまり。車での帰路は問題なさそう。気温も随分と違う。じゃあ
ランチタイム!今日はまた別の滝を、上から眺めながらのお昼。
活動再開。といっても、ここから駐車場までは目と鼻の先。
突然茂みから大きなシカが飛び出して、崖を登って行きました。ビックリしたぁ。真ん中の白いハートはシカのお尻。
「決してシカ様を軽んじている訳では。ただカモシカ様はレアなので」
そう心に念じながら、後ろ姿をお見送りした次第。
今回は、地図にないところを歩きましたが、ヤマップさんは、地図にない道もしっかりトレースしてくれて安心でした。
祖母山は僕が山登りはじめた頃よく行った、奥多摩の山々と雰囲気が似てるんですよね。沢や滝も数多く、僕に山を教えてくれた川乗山をスケールアップしたような感じです。
くじゅう連山ももちろん良い山で、これからもよく行くと思うのですが、祖母山系の方がちょびっと多く行くことになるかなぁ。