凍死のイメージが悪くないのはアニメの影響かもしれない。2020/01/19大船山
僕が高校卒業時に体重が104kgあって、その後劇的に痩せた経緯は、半年ほどまえに「デブとポジショントークと村上春樹 」で書いたが、太っていた頃の自分が、毎週山登って運動している今の自分を見たら、喜ぶだろうか、それとも背信行為と受け止めるだろうか。
とはいえ、何かにハマるという性質は同じで、小中高と僕は「読書」にのめり込んでいた。
そんな読書熱が冷めたのは、大人になって様々な娯楽と出会ったことが大きな要因だけど、ショーペンハウアーの「読書について」というエッセイを読んだ事もかなり影響があると思う。
彼はエッセイの中で
「読書とは他人の頭で考えてもらうこと」
と断じていて、読書は絶対的な善と考えていた僕は大きな衝撃を受けた。
後半まで読めば、ショーペンハウアーも「名作は読んだ方が良い」とブレていて、要するに「くだらない本は読むな」と漫画を読書と認めない、爺さまのような事を言っているだけなのだが「他人の頭で考えてもらうこと」というセリフに僕は唸ってしまったのであった。
その様なくだらない思い出を考えて夜更かししたら、案の定寝坊。朝6時になって目覚めた。
そして、祖母山に行くつもりが「昨日のあの雪見ちゃったから、やっぱりくじゅうに行きたいなぁ」とブレブレ。そして。
くじゅうに来てしまった。到着9時。車は結構いっぱい。牧の戸からならともかく、長者原9時スタートだと遅いわなぁ。
正面の指山は見えてますが、三俣山の上の方は雲に覆われ、上空1500m以上の天候は荒れ模様の予感。
でもね。今日は大船山目指します。というか坊ガツルと日本一人気のある山小屋「法華院山荘」を見てみたい。
あれ。登山口のアプローチに雪ナシ!目を剥く。
しかしここは「九州自然歩道」期待を裏切るはずがない。
九州自然歩道は関東〜関西に続く「東海自然歩道」の九州版いわば「山道の国道」なのだ。このコースは整備も行き届いていて、山歩きの楽しさ溢れる
絶対失敗しませんから
的な存在で、薬害や社会保障などで色々やらかしている厚生労働省も、この一事に関しては素晴らしい仕事をしている。
僕が、何回行ったか数えきれない、高尾山〜小仏城山なんかも、東海自然歩道の一部なのだ。
ほらね。ちょっと入れば、この雪景色。最高です。九州自然歩道は伊達じゃない!
まあ、こういう岩場もテキトーにあって、歩くのを飽きさせないんですね。
歩くこと1時間ちょいで、最初のポイント「雨が池」の木道に入ります。
冬場はこんなもんです。
そこから30分ほどで、ドーン!この原っぱ「坊ガツル」上からは何度となく見てきましたが、下でみてもなかなか壮観です。
綺麗な川が流れておりますが、酸性強くて魚はいない模様。
キャンプ場になっていて、テン泊する方も結構いらっしゃいました。
昨日のご飯で作った「ゆかり」おにぎりでエナジーチャージ!坊ガツルの避難小屋は新しくて立派。
さてここからが、大船山に続く本格的登山道です。
そこまでたいしたことはないのですが、岩をよじ登る所もあります。
低い茂みを縫うように歩く所も。
出た!大船山名物。ミヤマキリシマ突入ルート。
前回大船山まできた時はこの避難小屋に荷物デポして頂上目指しましたが、天候が悪化してきたので、今回はスルーして頂上急ぎます。
頂上方面。吹雪いているっぽい。
なんも見えんし、頂上近づいてくると風も強くなり、体温が奪われる。なぜか口をついて出てくるあのアニメソング
ラララ ラララ ズイゲンズイゲン グレーヌ ヴリンダース
なんか暖かい気分になって。いかんいかん。死ぬなら東京で、それも雲取山と決めている。
昇天することもなく登頂。しかし寒い!坊ガツルから約1時間半でした。
頂上すぐ下には、前回見逃した池がありまして、人が結構いて、写真撮って頂きました。
池は中岳下の御池よりコンパクトで、なかなかに美しい所でした。風が吹き込まないせいか、ちょっと暖かく、つい長居をしてしまいました。
雪は昨日の久住山より深い。
風と霧だけだったのが、雪も降ってきたので、とっとと下山。今日は先が長いのです。
下の方まで行くと、雪そこそこ溶けてました。
坊ガツルに帰還。なんだかんだ、14時過ぎてます。
振り返ると大船山が一番奥に見えました。
さて法華院温泉です。坊ガツルの端っこ。川床には硫黄。良いお湯に違いあるまいね。
最後の一文「山男の疲れをいやす」って、ジェンダーにやかましいこのご時世、大丈夫なんかい。と老婆心ながら。
日本一人気のある山小屋と言われる「法華院山荘」です。綺麗だし、これで温泉あったら、敵わんよね。丹沢山の「みやま山荘」もなかなかなんだけど。温泉はなぁ。
日帰り入浴したいけど、ここで温泉入ったら、帰れん!トイレだけお借りして、諏蛾守越を目指します。三股山の麓をぐるっと一回りするのです。
また登るの!地図の等高線見て分かってはいたけど、思った以上にキツイ登りです。素直に雨が池通ってフツーにピストンにしとけば良かったと後悔しましたが、引き返すのも面倒。
諏蛾守と書いてスガモリと読む。そのまんまだけど、なんかイメージ違うのよね。
なんか見えました。最後の登りであって欲しい。
荒涼とした原っぱに出ました。硫黄山近いから木が生えてないのかなぁ?
面白いことに、向かって左の北斜面には雪が残り。
南斜面には雪がありません。
荒涼とした原っぱから、更に一登りしまして、スガモリ到着。ここからは三股山からの帰り道とカブります。
岩場を下り。
もうちょいです。ここから、ちょっとぬかるんでた。せっかく雪で靴綺麗になったのに。
指山帰り道に通った木道に進みます。ここも九州自然歩道。
登山犬平治。メスです。メスなのにこのネーミングはビミョー。
今日はガッツリ歩きました。このコースなら、7時くらいだとゆったりできますね。2時間オシたもんなぁ。ゆっくりご飯食べる隙がありませんでした。
最初のピークが雨が池あたりで、真ん中大船山、最後がスガモリ。やっぱりスガモリの方がちょっとキツイ感じですね。
山深い大船山は、久住山に比べて人少ない。その分雪はフカフカで楽しく過ごせます。それでも、坊ガツルからは、以前の男池から行くよりは人もいて、道幅も広めです。くじゅう連山だいぶ分かってきましたが、黒岳は行ってないし、南側からはまだ一度も登ってません。南側は結構下から登るので、相当体力必要かな。奥が深いです。