勤続1周年で振り返る海外勤務~言葉の壁、人間関係、ワークライフバランス、そして金~
皆さん、こんにちは
ローザンヌはすっかり寒くなってしまい、通勤にはダウンコートが必須の季節になりました。日本は未だ気温が15度前後のところもあると聞くので羨ましい限りです。
さて、今回は仕事に関しての話になります。
気が付くとスイスにて働き始めてから1年が経過していました。あっという間でしたが、思い起こせば昨年のちょうどこの時期は様々な不安で一杯だったなと。なので今回は働く前に不安に感じていたことと、1年働いてみて実際にどうだったかについて書いていこうと思います。
不安その1、言語の壁 →どうにかなった
当時学生として言葉の壁を感じまくっていた私にとって、まともに働くことができるのかは最大の不安でした。
ですが、幸いこれは思ったより大きな障壁とはなりませんでした。というか、学校に通っていた時よりも苦痛に感じる瞬間は少なかったです。
理由としては学生であった時のほうが多人数でのディスカッションやプレゼンテーションの機会が多かったことが考えられます。場の流れに合わせて自分の意見を述べたり、質疑応答に対応することは簡単ではありません。
一方で社内では基本上司や同僚との1対1のミーティングがほとんどで相手から聞かれることもある程度想定ができ、それに向けて準備ができます。また自らの英語力の発達も伴って、時間の経過とともにコミュニケーションはより円滑になっていきます。
同僚や上司などが私(と私の業務内容)に対する理解を深めることで、私がもごもご話していても何となく伝わってしまうことも増えてきており、同じ職場で一定期間働くことのメリットを感じています。
とはいえ、あくまでも『どうにかなった』というレベルであり、昇進や高い評価を得るためには今のままでは明らかに不十分ですし、お昼休みなんかはフランス語が飛び交う中でご飯を食べているのでぼっちめしになることも珍しくありません。
引き続き英語とフランス語の勉強を継続していく必要があります。
不安その2、人間関係 →やっぱ大変だった
日本とは別のベクトルで厄介な問題が起こります。
上下関係的な面倒はほぼないので、それに関してはありがたい限りです。しかし、日本以上に誰かに仕事を依頼するということが難しいです。特にそれが込み入った内容だと対応してくれないケースが多い。私のようなインターンという弱い立場+言語能力的に言いたいことを100%伝えきることが難しい状況だと余計にもどかしく感じることがあります。
何日経っても対応してもらえなかった挙句、上司経由で同じことを依頼してもらうと速攻で解決したりするので自分の弱さを実感する日々です。
時間に対してルーズな人も多く、ミーティングが予定通りの時間に始まらなかったり、都合の良い理由をつけて一方的にキャンセルしてきたりすることも日常茶飯事です。
ここは海外勤務における忍耐が必要な個所かもしれません。そもそも文化・価値観が違うわけですからそれをまずは全面的に受け入れる心構えをもって、それでも納得がいかない場合ははっきりと意見を伝える。
そういう風にありたいなーと思いながら日々働いています。(できているわけではない。)
助かっているのは、サッカーのチームメイトが同僚にそれなりにいることです。彼らは基本的に私の見方をしてくれることが多いので改めてスポーツの偉大さを実感しています。
期待1、ワークライフバランス →思った以上だった
定時で上がれる、残業はほとんどなし
これらは海外勤務における利点としてよく聞く話ですが、その噂に違わず私もほとんど残業を経験することなく1年が経過しました。上司が定時で(下手をするとそれより前に)帰ってくれることも、ためらいなく帰宅できる要因です。
その他の面でも精神衛生上ローザンヌでの生活は日本の頃より恵まれているなと感じることは多く、
・公共交通機関はごく一部の時間帯を除き座れる
・休日出勤ほぼなし
・休暇は基本2週間単位でとれる、というかそれが普通
などなど本当に噂通り、というか予想を超えて日本よりも暮らしやすいと感じること多数。同僚も様々ではあるものの、基本は残業しないで定時前後にゆっくりきてさっさと帰っていきます。
ただし、うっかり気を抜いていると突然社員がクビになったりするので油断はできません。今年だけでもそれなりの人数が突然会社から消えました。
この辺は日本の労働者のほうが守られているなと感じる一面です。
期待その2、給料 →額面だけ見れば日本以上、けど生活水準は日本以下
最後は給料について。
スイスは集計方法によっては世界一給与水準が高い国として紹介されることもあり、その基準は日本よりもはるかに高いです。
ありがたいことに私とて例外ではなく、インターンという立場でありながら日本にいたころよりも安定して良い給料を貰えていたりします。(前職が歩合制のしょっぱい営業マンだったことも大いに関係あり。)
ただしこれはあくまでも額面に限った話であり、良い生活ができているかと問われれば答えは否です。以前に何度か紹介している通り、物価の方も世界トップクラスの水準であり日々の生活での節約は必須事項です。気軽にラーメンやファストフードを食べていた日本での日々を思うと悲しい気持ちになります。
インターンからの脱却、フルタイムへの昇進が叶えば状況は少し改善されると思うので、それを目指し今は日々お弁当作りに励んでいます。
以上、あくまでもこれは私個人の経験です。友人では同じヨーロッパやスイスの企業でも全然別の体験をしている友人がいるので、結局は就職した先によるということをご留意ください。
今回は以上になります。
それではまた。