巨大蟲から江戸の街を守るために新設された「蟲奉行」。人と蟲の心が交差する熱くまっすぐな武士漫画!
「ムシブギョー(蟲奉行)」「常住戦陣!!ムシブギョー」 福田宏
PAKU★★★☆☆ POKU★★★★☆ BLACK★☆☆☆☆
公式あらすじ(「ムシブギョー1巻」):享保6年、将軍吉宗の命により設けられた「目安箱」。寄せられた投書によって、ふたつの政策が実現する。ひとつは貧民救済のため「小石川養成所」の設置。そしてもうひとつが…「新中町奉行所」新設。この奉行所、ふたつ名(別名)を「蟲奉行所」と発す!江戸に巣くう巨大蟲から人々の笑顔を守るため新米同心・月島仁兵衛、勇気を胸にいざ参る!!
これをPAKU・POKUとして採用するか迷いましたが、人がバサバサ死んでいくことには変わりませんので、載せます。
あらすじの通りです。妖怪にも見える巨大な蟲が江戸の街の人たちを脅かしています。脅かす…つまりは、襲われたり、食べられたりしています。人もバカスカ死にます。そして、それを守る武士たちの物語です。
この作品の珍しいところは、最初の「ムシブギョー」3冊でほぼ完結していることです。おそらく人気が出て、新しい作品名で、話をやり直しています。正直、最初の3冊で十分です。出し直した方は、途中から「妖怪大戦争」になってしまいます。蟲あんまり関係なくなっていきます。
ただ、人間模様がとても丁寧に描かれているところは素敵です。敵側にも味方側にも事情があって、彼らなりに戦う理由があって、「あ、そうだったんだ」って思えるシーンがたくさんあります。
そして、抜け目なく、エロシーンがあります。もう、いらないのでは?と思う展開の、エロシーンがあります。作者が描きたかったんでしょう。タイトル変更後のシリーズは30冊超えのちょっと読むのが大変な作品ですが、ラストは本当にびっくりします。もう、好きなことを描き切った作品だと思います。これは読んだ人にしかわかりませんが、最後に本当の「闇」が見れます。