たった1人の少女を世界一のアイドルにするためだけに、世の中が支配される。究極の監視社会にて人々はどこまでこの茶番に付き合うのか?「電人N」。
「電人N」 原作/蔵石ユウ・漫画/イナベカズ・原案/田中空
PAKU★★★★☆ POKU★★★★★ BLACK★★★★☆
ある日、事故により亡くなった少年は、ありとあらゆる電子機器を支配する「電人」となった。目的はただ一つ。愛してやまない無名アイドルを世界一のアイドルにすること。ネット上での書き込みや、道端での悪口は許さない。電子の世界を行き来し、徹底的に監視して、彼女の敵は抹殺する。
電子の世界を行き来するなんてこと自体は非現実的ですが、どこかリアルなのがこの話の魅力です。主人公は自分の推しメンを心底崇拝し、誰からも愛されるに決まっていると信じていますが、実際、彼女自身も「世界一のアイドル」になりたがっていました。だからこそ、努力もしますし、評価もされたいと考えています。しかし、電人の脅迫にも思える推しにより、自分が評価されることに疑問も持ち始めます。
そして、電人自身も、彼女を純真に愛し、それが歪み、拗れていく中で、「自分が本当に望んだこと」に向き合っていきます。そして、人々の気持ちも徐々にですが変化していきました。
怒涛の展開にまさか4冊で終わるとは思えない勢いです。絶対悪ではない電人Nの気持ちの変化にも注目してください。
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