VRゴーグルでもARグラスでもなく
唐突ですが、今朝(2024年7月24日)未明、何気なく「GOOVIS」のサイトを見たら、新製品が並んでいました。今度のは小さくて軽そうです。前作は片目あたりWQHD(2560x1440)だったので、同じかそれ以上の解像度のパネルを使っていれば、かなり興味深い機種では? と思い、製品の説明を読んでみると、片目あたりFHD(1920x1080)でした。これでは、今使っている「VITURE One」と同じです。残念。
「VITURE One」とえいえば、次機種「VITURE Pro」の発売が関係しているのか、公式サイトで54800円という破格になって、Amazonのセール終了後も公式サイトではその価格が続いていたので、これが新価格として定着するのかと思いきや、数日後に62800円になってしまいました。とはいえ、私が購入したときは、セールで66800円で、それよりは安くなりましたね。このあたりの情報から、FHD解像度のマイクロOLEDに関して、生産量が増えて低価格化が進んでいるのかも、と感じたのですが、このペースでは4K級のマイクロOLEDの低価格化は、まだまだなのかな?
それはさておき、「GOOVIS」の話に戻ります。新機種「GOOVIS Art」が来月(2024年8月)に発売されるっぽいです。「GOOVIS」製品は、VRゴーグルでもARグラスでもありません。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)という懐かしい名称を名乗っています。VRゴーグルのように視界を覆う事なくFLAT画面を表示しますが、ARグラスのように現実が透過する訳ではありません。そうだったのですが、この新製品「GOOVIS Art」の特徴のひとつとして、現実を一緒に見る事ができるようで、紹介動画では、画面を見ていた父親に向かって、子供がサッカーボールをパスしたところ、トラップしているんですよね。どうやって実現しているのかは、サイトの紹介を見ていただければすぐに分かることですが、車のドアミラーのような形で画面が存在しているので、その周りは現実が見えているだけの事です。仕組み的には単純です。ただ、私はここに興味を持っています。
以前、私が書いた記事を読んでいただいている方がいれば、何を今更ですが、私は、前述の「VITURE One」を使っています。そして、その「VITURE One」の不満点のひとつが「透過」なのです。
以前の記事にも書きましたが、私は動画を視聴するのに、映画館ならば前の席より後ろの席、レジャー目的でなければ自宅のテレビでblu-rayを視聴するほうが好きです。没入感や迫力よりは、画面に表示されている情報を逃さず見たいと思うので、そういう志向になっています。そして、VRゲームはほとんどやらない、VR動画にもそんなに魅力を感じていない、そんな私としては、VRゴーグルよりも出来る事の少ないARグラスのほうが適している場合も多いです。ですが、ARグラスは「透過」してしまうので、画質が損なわれるのです。電子調光フィルム搭載ARグラスを選んだものの、暗くしても足りないと感じる事も多く、単純にカバーを付けるようが良かったかも、とさえ思います。
ARグラスは、「透過」する素材(簡単に言えばサングラスのレンズ部分)をスクリーンとして、映像を投影するような仕組みになっていますから、どうしても「透過」する訳ですが、これは、黒い部分、暗い部分ほど「透過」し易いです。特に映画では暗いシーンも多いですし、その際に、映像の中に現実の画面の先が「透過」してしまう部分があるので残念です。アカデミー賞視覚効果賞を受賞した作品を例に挙げれば、冒頭シーン、主人公が夜空の中で零戦を操縦しているようですが、ほぼほぼ自分の部屋ですよ。しばらくして、タイトルにある巨大生物が現れる訳ですが、これも夜なので、ほぼほぼ自分の部屋です。残念すぎます。
ついでに、もうひとつの不満点も書いておきましょう。ARグラスは、上に設置された画面が下に向かって光を放ち、眼の前にある45度くらいの角度の透明反射板で反射されて眼の前に映る、みたいな仕組みになっていて、反射板とスクリーンが両方とも透明なので、その向こうが見える訳ですが、反射板が、自分の足元方向を映してしまうのです。白い服を着ているときなんて邪魔で仕方ありません。こちらの問題も「GOOVIS Art」では解決しそうです。
一方で「GOOVIS Art」の弱点も予測がつきます。ARグラスの場合、散歩中など余所事をしている時でも画面を映し続ける事ができるよう、画面を、視界の端に小さく映すだけにする事ができたりしますが、ドアミラーが小さくなることはないので、画面は小さくならないでしょうね。ただ、この対策として、眼の前から上や下にズラす事ができるようです。このあたりは体験してみたいものです。
さて、「GOOVIS Art」は、公式販売サイトには「¥ 88,000 - ¥ 90,000」と表記されており、価格が決まっていないのか、為替相場によって、ギリギリまで様子をみているのか、そんな感じ。そして、AliExpressでは、75000円前後といったところです。この価格帯のものをAliExpressで買うのは勇気が要りますが。
買うのか?
いや。少なくとも、しばらくは様子を見ます。買う可能性は低いと思います。YouTubeでのレビュー動画とか上がってくるのを楽しみに待ってます。
それにしても、前面をぶつけたりしたら、接眼レンズ部分が眼に突き刺さりそうで怖いデザインだな…。
余談。
3DだけどFLATな動画は、そこそこ好きな訳ですが、というか、VR動画で画質を高めるのは一大事だけど、FLAT動画ならば、画質を高めやすいので、まずはそちらに可能性を感じているのですが、以前の記事に書いた、iPhone15Proの空間ビデオをキッカケに普及するかといえば、今のところ、たいした盛り上がりは感じません。そして、「XREAL Beam Pro」が発売されることで、KanDaoの「QooCam EGO」が値下がりすることを期待していたのですが、「XREAL Beam Pro」発表後、しばらく経ってから下がったものの、期待ほどではなかったです。
でも、さっき「GOOVIS Art」の価格チェックでAliExpressを見たとき、けっこう下がってました。「XREAL Beam Pro」発表前は、下手すれば日本で公式サイトから買うより高かったのですが、今は「XREAL Beam Pro」の小容量モデルと大容量モデルの間くらいの価格になっています。
まあ、これも買おうと思ってる訳ではないですけどね。3DでFLATな動画の普及を後押ししてくれれば、とは思うので期待してます。