FLAT(nonVR)3D動画のすすめ?③
今回もFALT3D動画の布教投稿です。読んでくれる人、なんて優しいんでしょう。ついでにFLAT3D動画を布教してください。お願いします。
前回投稿で予告した通り、今回は「何で視聴するのか」です。
前回書いたDeoVRの視聴であれば、VRゴーグル用の専用アプリ一択で良いと思います。ここでは、動画ファイルを用意した場合に、そのファイルを何で再生するか、という話を書きます。
前提として、私が使っているもののみの話とし、まずは、その主な特徴を比較した表を貼っておきます。
表の塗りつぶした部分が、各環境のメリットです。私の主観ですが。
まず、ARグラスであるVitureOneに、純正ネックバンドを組み合わせ、標準のプレイヤーで視聴する事は、とにかく手軽であることが最大のメリットでしょう。まだ完成度は低いと感じますが、このメリットは大きいです。
そして、VRゴーグルであるQuest3ですが、使用アプリごとにメリットがあります。表では4種のアプリを比較していますが、SKYBOXだけが有料アプリです。このSKYBOXのメリットはSMB対応です。簡単に言えばWindowsファイル共有の事で、大量の動画データをPCで管理保存している私の場合は、有料でも必須のアプリになっています。同じ機能を持つ別アプリもありますが、SKYBOXが定番のようです。
そして、動画内パススルーと書いた機能がDeoVRのメリットです。これは、動画の外をパススルーする機能ではなく、動画内の背景部分をパススルーする機能です。例えば、グリーンバックで人物が映っている動画で、グリーンをパススルーすると、人物だけがリアルの部屋の中に映るといった機能です。VR動画でもFLAT動画でも使える機能です。
Bigscreenのメリットはマルチプレイヤーと言えそうですが、仮想空間ぼっちなので、使ったことはありません。この機能を使う機会がありません。仮想の部屋を選ぶと、部屋内に視聴場所(席)が幾らか用意されているので、単純なアバターで部屋に入り、席を選択して視聴する、というスタイルのアプリですが、その部屋に別ユーザーを招待できる機能があるので、何人かで同時視聴できるという訳です。
最後、ファイルビューアーと書きましたが、Questの標準機能です。同じく標準機能で「ファイル」というものがあり、Quest内に保存したファイルを管理できるようになっていますが、保存した画像や動画のファイルを選択した際に、勝手に起動するのがファイルビューアーです。おそらく、描画エンジンは、これまた標準の Meta Quest TV や Quill Theater と同じなんじゃないかと思います。違うかもしれませんが。同じじゃないかな?という感じ。この2つもファイルから再生できるので、代用可能ですが、ファイル選択をし難いです。今回は、FLAT3D動画の視聴を考えている訳ですが、黄色く塗った部分が理由で、今のところ、ファイルビューアーが最適だと感じています。
という訳で、ここからは、ファイルビューアーを中心に書きます。
そもそも、以前は、動画視聴にファイルビューアーを使おうと考えたことすらありませんでした。最近のシステムアップデートにより、ホーム画面に表示できる窓の数や位置が拡張され、FLAT動画を再生している横でネットブラウズといった、ながら作業をし易くなりました。このとき必要になるのが、そのホーム画面内で窓のひとつとして起動できるFLAT動画プレイヤーですが、今のところ、Quest標準機能(つまり、ファイルビューアーと Meta Quest TV と Quill Theater)しか、見当たりません。このメリットは表に書きませんでしたが、人によっては大きなメリットになるでしょう。ただし、これはシステムアップデートによって大きくなったメリットとも言え、このアップデートに対して別のアプリが、同様に使えるモードを用意するかもしれません。というか期待しています。また、次のシステムアップデートで追加されそうな機能で、VRアプリ内で別のアプリを開くことができる様になるようなので、例えばSKYBOXやDeoVRで動画視聴中に、そのアプリ内にブラウザを持ち込めるようになるのかもしれません。という訳で、今回は深く掘り下げはしません。ただ、私はこの事をキッカケにファイルビューアーを使ってみて、表で黄色く塗りつぶしたメリットに気づきました。
ファイルビューアーとして表を塗りつぶしたメリットが、距離の調整と傾きの調整ですが、距離の調整が大きなメリットと言えそうで、傾きの調整は小さなメリットであり、人によっては必要ない機能かもしれません。小さなメリットである傾き調整から、それぞれ説明を書きます。
まずは傾きの調整。
画面を移動するとき、SKYBOXとDeoVRは回転移動です。どういう意味かというと、画面を下の方に配置しようとすると画面が斜め上を向き、画面を上の方に配置しようとすると画面が斜め下を向く、という事です。画面が常に視聴者に向いている訳です。理にかなってはいますが、2Dに対して3Dの場合、実在してる感が強くなり、このとき違和感が生まれます。例えば人物が映っている動画で、その人物が重力に逆らって斜めに存在してる感じになる訳です。傾かずに、平行移動で上下できたほうが違和感を感じないと思います。ちなみに、SKYBOXで映画館みたいなモードにすると選択する席によって多少は上から見る感じになったり下から見る感じになったりしますが、このときは画面は垂直なままで傾きません。Bigscreenも同様です。ただし、自由に移動という訳にはいきません。これに対して、ファイルビューアーの場合は、画面を下の方に移動する分には平行移動で垂直を保ってくれます。ただし、画面を上の方に移動するときは、SKYBOXの映画館以外のモードやDeoVRと同様に傾きます。おそらく、ソファなどで背もたれを大きく倒した場合とか、寝転がって視聴する場合を想定したものだと思います。本来は、表示する位置(高さ)を変更したうえで、こちらを向けるか垂直を保つかの切り替え、といった感じの2段階調整が欲しいところですが、下方向だけでも垂直を保ってくれれば、特に縦動画などでは配置する場所を決め易くなると思います。
次に距離の調整。
これは画面を近くに配置するか遠くに配置するか、という事です。前述のSKYBOXでの映画館モードやBigscreenでは、視聴場所(席)によって、近い遠いの違いはあります。これまた自由には選択できません。また、SKYBOXの映画館以外のモードやDeoVRにはその調整がありません。基本的に遠いです。対して、ファイルビューアーでは、けっこう自由に調整できます。現時点では、これのおかげでベストの視聴環境と言える、大きなメリットです。
画面を拡大すれば近づけるのと同じだ、と思われるかもしれませんが、違います。開発者とかではないので、あくまで推測ですけど、眼の寄り具合が違うのだと思います。右眼用映像と左眼用映像の両方に画面を表示してるはずですが、双方で、画面を表示する位置が少し違うはずです。右眼用映像では少し左に、左眼用映像では少し右に表示してあり、視聴者が画面部分を見るときに、少し寄り目になります。この寄り具合から、脳が、近いとか遠いとかを判断しているはずです。ファイルビューアーでは、画面をかなり近くに配置できます。他にはできない機能です。ちなみに、近くに配置することで、視力を悪化させる可能性があるのかもしれません。親が子どもに、テレビ近すぎ!って怒る、アレです。近づけるのは自己責任でお願いします。
で、近づけても遠ざけても変わらないものがあります。瞳孔間距離です。両眼の間は6cmくらいで一定です。ですから、近くのものに対して手前とか奥とかの違いは、眼が寄る角度が、やや大きく変動することになり、遠くのものに対しては、その角度が少ししか変動しない事になります。説明が難しい。解りにくくてごめんなさい。ともかく、画面を近づけたほうが、より立体感が強くなるのです。見ればわかると思います。ぜひ見てみて欲しい。
具体的なオススメ例を挙げておきます。片眼あたりFHD解像度な16:9の標準的な横長の映像を見る事とします。Quest3のホームの三連ドックにファイルビューアーで再生させます。三連ドック内では拡大してもある程度のサイズにとどまりますが、最大まで拡大します。このとき、枠の縦横比はちょうど16:9になるようです。そして、その三連ドックを近づけたり遠ざけたり調整します。コントローラーを持っていると、画面ではコントローラーが表示されます。腕を画面に向けて伸ばすと、画面に触れたときにコントローラーの表示が消えて手だけの表示なり、指で画面をタッチするような表示なります。画面に触れた瞬間、という事です。軽く腕を伸ばしたくらいで画面に触れる、そんな距離に配置します。そうすると、視野角的に、ちょうど25PPDくらいか、少しだけ粗いくらいになるんじゃないかと思います。動画視聴するには画面がかなり近いと感じるかもしれません。が、この状態で見ると、立体感が良い感じに強いです。もちろん、映像によって幾らか違うでしょうけど。強すぎて、カメラが固定でないと酔いやすいかもしれません。
ファイルを用意できて、試してくれた人がいれば、FLAT3D動画の良さが、DeoVRなどをストリーミングで視聴するよりも更に伝わってくれるんじゃないかと思います。ちなみに、表に少し書いてありますが、mkvtoolnixなどでアスペクト比情報を埋め込んでおけば、縦動画みたいに、16:9でない縦横比の動画も正しく再生できます。なので、縦動画も試してみましたが、良い感じでした。PICO4Ultraに関する投稿に書いたように、FLAT3DなTikTok的サービスを期待する理由です。iPhone15Pro、QooCamEGO、XrealBeamPro、これらが1920x1080の横にしか対応してないのが残念ですが、一部の界隈でよく使われている、FHDを3つに分割した縦動画でも良いと思いますから、どこか、そういうサービスを始めてくれないかな……。
「FLAT(nonVR)3D動画のすすめ?」は、今回の③で終了です。ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。