スナックとsnackはちがう
アメリカは8月から新年度。
うちは3rd gradeと1st gradeにそれぞれ進級した。
自分が小学生の頃の時間割なんて忘れてしまったけれど,アメリカではスナックタイムというおやつの時間がある。子ども達に聞いたらそれぞれ,午前中,お昼を食べる前にあるんだそうだ。
初めて「スナックタイムがある」と聞いたときは,「おやつ持ってきて良いなんてさすが自由の国アメリカだなー」なんて思った物だ。
ところがこの「スナック」。お菓子っていう意味ではない。
当初子ども達の「スナックタイム用」に,チップス的なものを持たせていたら,そのうち先生からスナックについてのお便りがくるようになった。
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「スナック」は「ヘルシー」で「べとべとしない」「床にこぼれたりしない」ものを「適量」持ってきてください,いうお達し。良い例として「野菜」「フルーツ」が最初の行に書かれてる。
野菜がスナックって・・・野菜チップスってこと?!
言われてみるとsnackの本来の意味は:
a small amount of food that is eaten between meals, or a very small meal:
I had a huge lunch, so I'll only need a snack for dinner.
Fresh or dried fruit makes an ideal snack.
Many snack foods are high in salt, sugar, and fat.
snackの定義が1行目。ここでは,snackとはベリー・スモール「ミール」つまり軽食であり,食事の合間に食べるもののことを差すといってます。3行目の例文では,snackの理想的なアイテムはフレッシュフルーツやドライフルーツ,といったことが出てます。このあたりは学校のお便りとかぶるところ。
ところが1行目の例文。そのまま言うと
:I had a huge lunch, so I'll only need a snack for dinner
「お昼食べ過ぎたので,ディナーにはsnackだけでいい」
といった意味。このsnackを「スナック」と書き換えてみると不思議な文になります。
:I had a huge lunch, so I'll only need a snack for dinner
「お昼食べ過ぎたので,ディナーにスナックだけでいい」
この人はどうしてもチップスがたべたいのか??というか,食べ過ぎたからチップスで済ますという思考回路をただした方がよいのではないか???
と思います。この人の健康意識を疑ってしまうし,「スナック」はチップ的だと当然思ってしまう。「野菜だけ食べるつもり」なんて言われたら,言い訳にしか聞こえません・・・・
スナックは明らかに不健康な食品カテゴリを差すのは分かったようにおもうけど,問題はこの3番目の例。
:Many snack foods are high in salt, sugar, and fat.
「多くのsnack・スナック食品は塩分,糖分,脂肪分が高い」
この例文は「スナック」の不健康なものを差しています。だから英語的似考えるとsnackには健康的なものも含まれれば,不健康なお菓子類も入るということになります。カタカナの「スナック」にお野菜は入らないけど・・。
つまりsnackはスナックでもあるけれど,スナックは必ずしもsnackであるわけではない・・・ってことになります。
だからアメリカ人の親たちも学校のsnackタイムに,私のように「スナック」を持たせてるひとも当然いるわけで。。あまりにお菓子率が多かったために,学校からお便りが来ることになったのではないかと思われます。
ところでこのsnackとmealのきわどい区切りについては色々と研究が進んでいる模様です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4863261/A
いわゆる,朝食,昼食,夕食の間に余分に食べる間食をsnackと位置づけるのかmeal と位置づけるのか,その選択がその個人の食生活に影響するといった内容のようです。
そう。つまり「スナック」というと我々は具体的な固形物のチップスを思い浮かべますが,snackは食べ物でも有りsnacking,(つまみぐい)という行為でもあるわけですね。
日本語にある沢山のカタカナを嫌う人もいるけど,カタカナから色々ふかーい文化的,言語的違いがみえて私は面白いなと思っています。