雲の上の集落 十家集落
徳島県に、つるぎ町という町がある。日本百名山の剣山のふもとにある町である。
この地域では、急な斜面が多く、急傾斜の斜面で農業を営み、生活されている方が多い。その地域特有の伝統的な農業は、世界農業遺産として登録されているらしい。
そんなつるぎ町に、登山道か小さなモノレールしかアクセス手段がない「十家集落」という集落があると聞いたので、訪問してみた。
道の駅「貞光ゆうゆう館」から、貞光川沿いの438号線沿いに車で走っていくと、欄干がない沈下橋がみられるエリアを通る。
さらに川沿いを南下すると、軍艦島を彷彿とさせる建物がみられる。
最近廃校になった小学校、中学校。近くで見るとそこまで古くないが、迫力がある。近隣に他にも廃校が多く見られたので、少子化が進んでいることが感じられる。
校庭近くに車が止められるスペースがあったので、車を止め、集落入り口に向かう。校庭を通りかかった近くの住民に十家集落について聞いてみると、「何もないいとこや」「まだ一人だけ住民が住んでる」「ルートが複数ある」等の話を聞けた。
学校の近くに歴史を感じる建物がある。昔はここで駄菓子とかいろいろ売ってた名残がみられた。
近くの川辺は、少し緑がかった緑泥片岩が削られた、きれいな風景。このあたりの川は大体こんな感じ。
廃校から5分ほど歩き、発電所前が十家集落の入り口。
十家集落行きのモノレール乗り場が道路わきにある。
説明板。
モノレールの駅。住民以外は使用できないらしい。
モノレールの線路の横にある登山道を上っていく。
かなり良く整備されており、歩きやすい。人の手が良く入っていることが感じられる。登山に慣れている人なら余裕だろう。
休憩用なのか、ところどころに酒ケースをひっくりかえした椅子?がある。
長いモノレールの線路の下を歩く。モノレールの骨組みも立派。
40分くらい歩くと登山道が終わり、開けた場所に出る。集落の入り口。
茶園があり、きれいに刈られていたので、まだ人が管理していることが伺える。
集落内は、傾斜に合わせて石垣が組まれており、まだ生活感が残る家もあれば、廃屋になっている家も多かった。家はどれも昔ながらの造り。20-30軒ほど家が見られる。
傾斜地ならではの立派な石垣がみられる。下の川の石と同じものなのだろうか。
この集落には何故か空き缶やオロナミンC のビンが良く落ちている。下までゴミを持っていくのも一苦労だからだろうか。
ビワがなる果樹園が見られるが、時々熟して自然に落ちていく音が聞こえる。
集落内をモノレールの線路が走っている。
集落の上の方にモノレールの駅的な場所がある。
横に寺院がある。古いがよく手入れされている。
今回は残念ながら、集落の方とお会いすることはできなかった。十家集落はかなり廃村化が進んでおり、目立った産業もなく、交通の便も悪いため、これから人口が増加していく事も難しいように感じられた。また、十家集落とは異なる他の集落もいくつか訪問して見たが、廃屋が多く、人口が減少している様子が伺えた。
日本の原風景が残る、秘境という感じがしたが、あと十年もすれば、廃村化はさらに進み、今の姿は見ることはできなくなるのかもしれない。
そんなことを考えながら集落を後にした。
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