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ATTRアミロイドーシスを疑うべき身体所見

日内会誌の記事を噛み砕くマガジン。

10月号は終わり、ついに11月号に手をつけ始めた〜!

内科学会員のみんな、毎月じっくり読む時間ないでしょ?

サンが気になったキーワードだけ拾って紹介するので、
詳しく知りたくなったら雑誌をひらけば良いと思うよ。


11月号の初回は、
一目瞭然!目で診る症例シリーズの感想を書く。


※今月の症例1例目(ネバネバクレブ)は、普遍的で面白みがなかったのと、医学と医療の最前線(女性アスリートの相対的エネルギー不足)は興味がわかなかったので、記事にしません。


症例

60代男性

  • 2年前から緩徐発症

  • 両手の筋力低下、異常感覚

  • 昨年、腰部脊柱管狭窄症の指摘あり


両側母指球筋の萎縮

両手の手掌の写真で、母指球筋の萎縮あり。

手根管症候群を示唆する。

手根管症候群の解説はこちらの記事がわかりやすいので貼っておく。


両側のPopeye sign


写真はNEJMで見られるので、貼っておく

上腕二頭筋腱断裂の写真だ。

これが両側にある。

普通、上腕って服の袖で隠れているし、
診察中に自然なポパイポーズされることはないから、
狙ってこのポーズさせて見ないとわかんないなぁ…

サンの心の声


ポパイポーズ


ATTRアミロイドーシス


ATTR
アミロイドトランスサイレチン(Amyloid TransThyRetin)

  • 野生型 wild type:wt

  • 遺伝性 

とがある。


ATTRwtの場合、

  • 関節・靱帯に沈着

    • 手根管症候群

    • 脊柱管狭窄症

  • 心臓に沈着

    • 心アミロイドーシス

が特徴。


有病率は不明だが、

80歳以上の剖検症例の12〜25%で
心臓にTTRアミロイド沈着を認めたという報告があり、


意外と多いんちゃうか?

という見方が強まっている。


治療薬 タファミジス


診断がつきさえすれば、非常に高価な薬剤ではあるが、治療薬がある。

タファミジスは、死亡率や心血管関連入院を減少させる。

商品名でいうと、ビンダケルとビンマックがある。

他にも、パチシラン、ブトリシランなど、さらなる新薬開発も進んでいる。


ATTRアミロイドーシスに気づくポイント


サンが教えられたのは、

  • 心エコーでは心肥大がありそうなのに、心電図では低電位

の場合、

  • 手根管症候群

  • 脊柱管狭窄症

の既往(あるいは症状)がないか?を確認すること。


心電図の参考はこちら見てね。


こちらにも簡単なフローが紹介されている。


疑ったら、

  • ALアミロイドーシスのrule out

    • 血清・尿蛋白免疫電気泳動

    • κ/λ比

  • 99mTcピロリン酸シンチグラフィ


シンチの画像はこちらで見られます!


popeye signは、ATTRwt心アミロイドーシスの数年前に現れることがある。

患者の2-3割に見られるらしい。

早期発見・早期治療のために、覚えておくべき、とのこと。


ATTRアミロイドーシスは近年hotな話題ですよね〜

専門医試験とかでも狙われやすそう(勘)

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花嫁にもなれず、総合内科専門医にもなりきれぬ哀れで醜い可愛いサン
花嫁にもなれず、総合内科専門医にもなりきれぬ哀れで醜い可愛いサンをサポートしたいという気の触れたこだまたちはおらぬか!