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日内会誌の記事を噛み砕くマガジン、3本目。

内科学会員のみんな、毎月じっくり読む時間ないでしょ?

サンが気になったキーワードだけ拾って紹介するので、
詳しく知りたくなったら雑誌をひらけば良いと思うよ。



喘息とGERDの合併


喘息患者で、症状のあるGERDの平均合併率

なんと…!


なんと…!


46.54%


約半数〜!


なぜ喘息の人はGERDになりやすいの?


喘息(閉塞性障害)

横隔膜平低化

LES圧の低下
胸腔内圧の上昇
etc…


他にも、β2刺激薬やテオフィリン、ステロイドが、LES圧低下に寄与している説もあるらしい。


なぜGERDの人は喘息になりやすいの?


逆方向(GERD→喘息の方向)にも影響がある。

  • Reflex theory

胃の内容物が下部食道へ逆流
→迷走神経受容体を刺激
反射性に下気道の迷走神経遠心路が刺激
→気道収縮

  • Reflux theory

咽喉頭、下気道への直接的な胃内容物の刺激(逆流

  • 共通する要因

肥満や遺伝子多型など


また、GERDだけでなく、機能性ディスペプシアも、喘息患者においてカプサイシン咳感受性亢進に影響している、という筆者らの研究も紹介されていた。


喘息コントロールに与えるGERDの影響


GERDが併存していると、していないのに比べて
喘息の増悪リスクが1.6倍という報告があるらしい。

GERDがあると、喘息患者のQOLも下がる。

慢性咳嗽の原因で
GERDと咳喘息が合併している頻度は高いらしい。


では、PPIで治療したら喘息良くなるの?


あるメタ解析では、

12週以上のPPIは、
GERD合併喘息患者の
ピークフロー、1秒量、喘息症状スコア、QOL、増悪
のいずれも有意に改善しなかった…


UpToDateでも、GERD合併の喘息患者に対して、喘息改善を目的に、empiricにPPI投与するのはちょっとね…というニュアンスで書いてある。


もちろん、症候性GERDに対して、GERDの症状改善のために PPI処方するのは妥当だが、これで喘息も良くなるよ〜とは言えないのが切ないところである。


純粋な胃酸の逆流以外のメカニズムが、
喘息増悪に関わっているということなのだろう…


じゃ、GERD合併喘息の患者さんには、他に何ができるっていうの?!


  • 禁煙

  • 減量

  • 食生活改善

は有効だそう。


これができりゃあな…
苦労しないんだぜ…

サンの心の声


筆者はFD→喘息の関連を研究していて、
FDの併存がありそうなら、その治療(消化管運動機能改善薬)を併用するのも検討したら?と書いてある。


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花嫁にもなれず、総合内科専門医にもなりきれぬ哀れで醜い可愛いサン
花嫁にもなれず、総合内科専門医にもなりきれぬ哀れで醜い可愛いサンをサポートしたいという気の触れたこだまたちはおらぬか!