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喘息とGERD
日内会誌の記事を噛み砕くマガジン、3本目。
内科学会員のみんな、毎月じっくり読む時間ないでしょ?
サンが気になったキーワードだけ拾って紹介するので、
詳しく知りたくなったら雑誌をひらけば良いと思うよ。
喘息とGERDの合併
喘息患者で、症状のあるGERDの平均合併率
なんと…!
なんと…!
約半数〜!
なぜ喘息の人はGERDになりやすいの?
喘息(閉塞性障害)
↓
横隔膜平低化
↓
LES圧の低下
胸腔内圧の上昇
etc…
他にも、β2刺激薬やテオフィリン、ステロイドが、LES圧低下に寄与している説もあるらしい。
なぜGERDの人は喘息になりやすいの?
逆方向(GERD→喘息の方向)にも影響がある。
Reflex theory
胃の内容物が下部食道へ逆流
→迷走神経受容体を刺激
→反射性に下気道の迷走神経遠心路が刺激
→気道収縮
Reflux theory
咽喉頭、下気道への直接的な胃内容物の刺激(逆流)
共通する要因
肥満や遺伝子多型など
また、GERDだけでなく、機能性ディスペプシアも、喘息患者においてカプサイシン咳感受性亢進に影響している、という筆者らの研究も紹介されていた。
喘息コントロールに与えるGERDの影響
GERDが併存していると、していないのに比べて
喘息の増悪リスクが1.6倍という報告があるらしい。
GERDがあると、喘息患者のQOLも下がる。
慢性咳嗽の原因で
GERDと咳喘息が合併している頻度は高いらしい。
では、PPIで治療したら喘息良くなるの?
あるメタ解析では、
12週以上のPPIは、
GERD合併喘息患者の
ピークフロー、1秒量、喘息症状スコア、QOL、増悪
のいずれも有意に改善しなかった…
UpToDateでも、GERD合併の喘息患者に対して、喘息改善を目的に、empiricにPPI投与するのはちょっとね…というニュアンスで書いてある。
もちろん、症候性GERDに対して、GERDの症状改善のために PPI処方するのは妥当だが、これで喘息も良くなるよ〜とは言えないのが切ないところである。
純粋な胃酸の逆流以外のメカニズムが、
喘息増悪に関わっているということなのだろう…
じゃ、GERD合併喘息の患者さんには、他に何ができるっていうの?!
禁煙
減量
食生活改善
は有効だそう。
これができりゃあな…
苦労しないんだぜ…
筆者はFD→喘息の関連を研究していて、
FDの併存がありそうなら、その治療(消化管運動機能改善薬)を併用するのも検討したら?と書いてある。
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