60歳以上と妊婦にRSウイルスワクチンを
日内会誌の記事を噛み砕くマガジン。
11月号はワクチン関連。4本目は、RSウイルス。
サンが気になったキーワードだけ拾って紹介するマガジンなので、詳しく知りたくなったら雑誌をひらけば良いと思うよ。
RSVワクチンの章で書かれていること
端的にまとめると、
これまで過小評価されてきていたけど、インフルエンザやCOVID-19と同様に、高齢者では重症化しやすい下気道感染症である。
高齢者向けワクチンと妊婦が接種する乳児のためのワクチンがある。
それぞれのワクチンの有効性を示したRCTの概要
と言ったことが書いてある。
RCTの概要が知りたい場合は、本文を読んでもらうと良さそう。
このnoteでは、2つのワクチンの他、乳幼児に対して感染予防で使える抗体製剤についてちらっと紹介しておこうと思う。
「ア」から始まる2種類のオトナ用ワクチン
2024年に、2つのRSVワクチンが国内で使えるようになった。
どっちも「ア」から始まるので、ごっちゃになりそうである。
どうでもいいが、アレックスビーはトランスフォーマーのキャラクターみたいな名前なので、セルを黄色にしてみた。
こちら、妊婦は対象に含まれず、高齢者(60歳以上)のみが対象である。
アレックスビーには、免疫応答を増強させるためのアジュバントが使用されている。
アブリスボの方は、炙り・・・っぽい色味にしてみた。
こちら、高齢者だけでなく、24〜36週の妊婦も対象である。
ただし、妊婦の感染を防ぐのが目的ではなく
妊婦から生まれてくる子どもの、新生児・乳児・幼児時代のRSV感染・発症を防ぐ目的で、である。
いずれも、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンと比較して、価格が割と高めなので、ちょっと尻込みするかもしれない。
ただし、重症化し入院を要した場合にかかるコストは2〜3万どころではない。
単に入院費用だけの話ではない。
高齢の場合、仮に無事治癒したとしても、かなり身体機能や認知機能が落ちていることが多い。
それにより失われる生活や時間の価値を思えば、2〜3万円は安いかもしれない。
インフルエンザやCOVID-19のワクチンと違って、RSVワクチンは任意接種なので、自治体からの接種費用補助もないし、まだまだ一般認知は低い。
臨床医としては、この新しいワクチンの選択肢があることについて啓蒙していきたいところである。
予防目的で使える子ども用の抗体製剤
RSウイルス感染の重症化リスクが高いとされる新生児・乳児・幼児に対しては、ワクチンではなく、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体製剤が予防として使える。
これらの抗体製剤が保険適用となるのは
主に、早産児や先天性疾患を持つ子どもです。
シナジスとベイフォータスは、微妙に適応が異なる(先天性疾患の詳細が異なる)ので、都度確認が良いと思います。
健康な子どもは保険適用ではないので
もし投与して欲しい場合は医師と相談ですが、全額自己負担です。
感想
高齢者が打ったほうがいいワクチン多いから、混合ワクチンとかになってくれたらいいのになぁ…
インフルエンザ& COVID-19とか
肺炎球菌&RSウイルスとか
帯状疱疹(シングリックス)は2回接種だから、ちょっと難しいか…
※RSウイルスワクチンは、接種後効果がどれくらいの期間持続するのかまだわかっていない状態(毎年じゃなくても良さそう…ということはわかってきているみたいだが)