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車と腕時計とYシャツと私3

半年ほど前、使い勝手がよく堅牢なカバンが欲しくなり、数点買い替えた後、ちょうどいいものが見つかりました。アークテリクスというアウトドアブランドの商品だったのですが、この経験は長らくブランド品というものに関心を向けて来なかった自分の心境に変化をもたらしました。ブランド品に対する信頼感というか、身につけている時の満足感とでもいうような、自分でも不思議な気がしました。
そこで、ブランド品を身につける範囲を服装にまで拡大しようと思いました。そこにおいてもまず頼りにしたのはアークテリクスです。何しろ他に知らないものですから。ファストファッションとハイブランドを上手く組み合わせるのがオシャレの早道と言っている人がいた気がしたので、手持ちのきたなめな服とアークテリクスを組み合わせようと思い、カタログを調べました。アウトドアブランドですから目に入ってくるのはパーカーやウインドブレーカーの数々。どれも他社の製品と比べて、どこがどうとは言えないのですが、一味違うというか、確かにカッコイイ。この時点で既にブランドの力に完全にやられています。しかし、価格に目をやって現実に引き戻されます。高い。しかもオールシーズンこれさえ着ておけばOKというものはない。服には季節というものがあるから。やはり、服装は奥が深すぎる。
こうして服装にブランドを取り入れることに頓挫した私は、他の方法はないかと考えました。いつでも身につけられて、それによって着こなし全体の価値をかさ上げしてくれるようなものはないかと。思い浮かんだのは腕時計でした。


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