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ChatGPTの新機能「Canvas」の基本機能と法務での活用事例を徹底解説!


突然ですが、みなさんは普段ChatGPTを使っていてこんなことを思ったことはありませんか?

「指示するんじゃなくて直接編集したい・・」

私は法務なのでよくChatGPTに契約書の作成させることが多いのですが、例えば契約書の一部だけ変えたいような時、指示するのではなくてそのまま自分でできたら楽なのになぁ・・と思ったことが何回もあります。

そんな悩みを解決してくれるのが、ChatGPTの新機能「Canvas」です。
Canvas機能を使うことで、契約書のチェックや編集がChatGPT内で完結できるようになりました。本記事では、このCanvas機能を活用して契約書チェックを実際に試してみた結果をレビューします。業務の効率化を目指している方は必見です!

今回の担当



1. ChatGPTの新機能「Canvas」とは?

ChatGPTの「Canvas」は、従来のAIアシスタントに加え、文章の直接編集ができる画期的な機能です。
これまで、ChatGPTで生成された文章はそのままの形で提供され、ユーザーが別途編集ソフトに移して修正を加える必要がありました。
しかし、新しいCanvas機能では、生成された文章をその場で直接編集できるため、作業の手間が大幅に減少します!

2. Canvasの基本的な使い方

Canvas機能を使うには

Canvas機能を利用して契約書のチェックを行うには、まずChatGPTのモデルを「GPT-4o with Canvas」に切り替えます。

切り替えたらあとは編集したい内容を入力すればOK、試しに以下のダミーの企画書をレビューしてもらいましょう!

IT初心者向けにChatGPTを活用してPythonやGoogle Apps Scriptでプログラミングを学ぶ講座の計画
   - AIとは何か、ChatGPTの活用方法
   - PythonやGoogle Apps Scriptの基礎知識
   - AIを使って効率的に学ぶ方法

2. **Python入門**
   - 基本的なプログラミング概念(変数、ループ、条件分岐など)
   - ChatGPTを使ってコードの補完やデバッグを行う
   - 簡単な自動化スクリプト作成(ファイル操作やデータ処理)

3. **Google Apps Script入門**
   - Google Apps Scriptの基礎とAPIの使い方
   - ChatGPTでGASのスクリプト生成・修正
   - 実際のGoogleスプレッドシート自動化プロジェクト

4. **生成AIによるプログラミング支援**
   - ChatGPTを使ったコードの生成、最適化、エラー修正の実践
   - プロジェクトの提案とサポート

5. **最終プロジェクト**
   - PythonまたはGoogle Apps Scriptを使って、簡単なアプリやツールを開発
   - ChatGPTでサポートを受けながら独自のプログラムを作成

6. **予算**
- **オンライン教材の開発**: PythonやGoogle Apps Scriptの基礎から生成AIの活用方法を網羅したビデオコンテンツやテキスト資料を作成します。これにかかる初期費用として、プロフェッショナルな講師を雇用した場合、教材制作費用は**200300万円**程度見積もられます。
- **プラットフォーム構築**: 学習進捗管理やサポートフォーラムを含むオンライン学習プラットフォームの構築。既存のLMS(学習管理システム)を利用すれば、年間**100150万円**程度のランニングコストがかかります。

###マーケティング費用
- **デジタルマーケティング**: SNS広告や検索エンジン最適化(SEO)を活用して、ターゲット層にリーチします。SNSやGoogle広告に毎月1020万円を投入し、年間**120240万円**の予算を想定します。
- **無料ウェビナーの開催**: ウェビナーで受講者を引き込むため、プロモーションやサポートが必要です。ウェビナーの運営費として、年に数回の開催で**3050万円**を見込むことができます。

###サポートと運営費
- **講師やサポートスタッフの人件費**: 講座中に受講者からの質問対応や個別サポートが必要です。専任スタッフまたはパートタイムの講師を雇用し、月あたり2030万円、年間**240360万円**を見積もります。
- **ITインフラ費用**: オンラインでのトラフィック増加やストリーミングに対応するためのサーバーコスト、ソフトウェアライセンスなどのIT関連費用に**50100万円**。

###その他のコスト
- **外注費用**: コンテンツ制作、デザイン、動画編集などを外注する場合には、年間**50100万円**程度を見積もりましょう。
- **雑費・予備費**: イレギュラーな費用に備えて、全体の510%の予算(**50100万円**)を雑費や予備費として確保。

###総費用見積もり
- **講座開発・教材費用**: 300450万円
- **マーケティング費用**: 150290万円
- **サポート・運営費**: 290460万円
- **その他のコスト**: 50200万円

Canvasの便利な機能

  • 直接編集機能
    提案された修正をそのまま適用するか、自分で手動で編集するかを選択できます。特に、金額や日付の修正など、契約書の一部だけを修正したい場合にも素早く対応できます。

  • レビュー機能
    Canvasでは、対象箇所を選択するとその内容についてChatGPTがレビューをしてくれます!なお、レビューした内容はそのまま反映することも可能です。


その他の機能

  • バージョンを戻すことができる
    右上の矢印を押せば、前のバージョンに戻すことができます。ChatGPTのレビューが気に入らないときは戻しちゃいましょう。

  • 文章のレベルを調節することができる
    右下の読解レベルから、なんと大学院〜幼稚園レベルまで、文章の読みやすさを調節することが可能です。
    専門的な文献などは、素人には難しかったりするので、この機能を使って読みやすい文章にしてみると良いかもしれません。

  • 文章の長さを調節できる
    ChatGPTが生成した文章の長さを調節できる機能です。少し冗長的な表現にしたいような場合や、もっとシンプルにしたい場合に使えそうです。

  • 絵文字が追加できる
    なんと文章のニュアンスに合わせて、絵文字を追加する機能もついています。親しい相手へのチャットやメールなど送る時には使えそうです。ただ、ビジネス文書としての用途は少しむずかしいかもしれません。。

総じて見ると、バージョン戻す機能以外は今のところ使用する場面は少ないかな…と個人的には思いました。
ただ、このあたりも今後のアップデートでさらに良くなる可能性もあるので、今後の挙動に期待したいです!

3. 実際に契約書チェックを行ってみた感想

では、今度は実際の活用事例をご紹介いたします!
冒頭でもお伝えした通り、契約書のチェックをCanvas上でやっていきます。
今回はダミーの業務委託契約書を用意したので、こちらのレビュー業務をCanvasで行います。(ちなみに、ダミーの契約書もChatGPTで作りました)

業務委託契約書

株式会社ABC(以下「甲」といいます。)とフリーランスのXYZ(以下「乙」といいます。)は、以下のとおり業務委託契約(以下「本契約」といいます。)を締結します。

第1条(委託業務)

甲は、乙に対し、イラスト作成業務(以下「本業務」といいます。)を委託し、乙はこれを受託します。

第2条(業務内容)

乙は、甲の指示に基づき、本業務を誠実に遂行するものとします。

第3条(納期)

乙は、甲からの注文ごとに、甲と協議の上、納品期限を決定します。

第4条(報酬および支払条件)

甲は、乙に対し、本業務の対価として、1案件あたり報酬を100円とします。

支払期日は、甲による検収が完了した日から3ヶ月以内とします。

第5条(発注方法)

個別の発注については、甲が書面により乙に通知するものとします。

第6条(追加業務の依頼)

甲は、乙の同意を得て、イラスト作成以外の業務を乙に依頼することができます。

第7条(作業場所)

乙は、自らの裁量で業務を行う場所を決定します。

第8条(著作権の帰属)

乙が本契約に基づいて作成したイラストの著作権は、納品時点で甲に帰属します。

乙は、甲の事前の書面による承諾なく、当該著作物を第三者に開示または使用しないものとします。

第9条(損害賠償)

甲または乙が本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合、当該損害を賠償する責任を負います。

第10条(秘密保持)

乙は、本契約に基づく業務の遂行にあたって知り得た甲の秘密情報を、甲の事前の書面による承諾なく、第三者に漏洩しないものとします。

第11条(表明および保証)

甲および乙は、それぞれ本契約の締結および履行に必要な権限を有していることを表明し、保証します。

第12条(合意管轄)

本契約に関する紛争については、東京簡易裁判所または東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

第13条(協議事項)

本契約に定めのない事項や解釈に疑義が生じた場合、甲および乙は誠意をもって協議し、解決に努めます。

実は、下請法上、この契約書には以下のような問題点があります。(細かいところは今回は省きます。)

  • 報酬が低すぎる

  • 報酬の支払いサイクルが長すぎる(通常は納品から60日以内)

上記のように実際にチェックと修正が必要な契約書を、ChatGPT上だけでできるのか、試して行こうと思います。
まずは、契約書をアップし、Canvas機能を呼び出してみましょう。


次に、問題点はないかレビューしてもらいましょう。企画書のところでも触れましたが、Canvas機能は、提案箇所をドキュメントのようにコメントしてくれます。
実際に見てみましょう。

契約書をアップロードし、まずは自動レビューを行ったところ、数分で修正すべき箇所のリストが生成されました!
各提案には説明がついており、なぜその修正が必要なのかが明確にわかります。

ちなみに、左側のスレッドから専用のGPTsを呼び出すこともできます!
以前、下請法の対応に特化したBotを作ってみたので、呼び出してみましょう。

おお、さすが下請法専門のチャットBot、レビューも正確ですね!

そして、Canvas上で直接修正を行えるため、他の編集ツールに移動する必要がなく、その場で契約書を完成させることができます。

結構こういう細かいところの編集って、ChatGPTに指示して直させるより、自分の手で直接編集できたほうが早かったりするので、ChatGPTのレビューと、人間による編集機能の両方があるCanvasはユーザーのかゆいところに手が届いた機能かと思います!

4. Canvasの課題

現時点でも十分な機能性をもつCanvasですが、Canvas上で生成されたコメント自体は編集できないため、個人的にちょっと不便だなと感じたし、ドキュメントと異なる点かなと思いました。
ChatGPTがレビューしたコメントを直接編集できれば、本当にChatGPT上だけでレビューが終わるのにな、、と感じました。
ここは今後のアップデートに期待します。

5. まとめ:Canvas機能で業務効率化を目指そう

ChatGPTの新機能「Canvas」は、契約書のチェックや編集を効率化する強力なツールです。
自動レビュー機能と直接編集機能を活用すれば、従来の手間のかかる業務プロセスが簡素化され、時間の節約につながります。特に、バックオフィス業務や法律文書の作成においては、業務効率を飛躍的に向上させるポテンシャルがあります。

今後も、Canvas機能の改善が進むことで、さらに多くの業務に応用できる可能性が広がるでしょう。業務効率化を目指している方は、ぜひ一度試してみる価値があります。