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ショーの空気を作る
日本茶インストラクターになった方の認定式で、日本茶ショーをした。日本茶インストラクターは日本茶の魅力を伝える人の資格だが、その方々に日本茶の魅力をショーにして披露するのは気が引ける思いがしたが、さてやってみるとすごく反応が良くてほっとした。自分で作った紅茶が思いの外人気があったり、5年前、始めたばっかりのサムライ茶人を見ていた方から声をかけていただいたりすると自分の成長が多少なりとも見えたのが嬉しかった。
片付けの時にホテルの人と話していたら、その方はDJだった。そう、サービスのキャプテンクラスは結構面白い人が多い。
そこでふと、昔四国でのイベントで有名DJの方と一緒だったのを思い出した。DJって見たことないなぁ、どんな感じでやるんだろう?とバックヤードからみると、始まっているのになんだか人がまばらでパッとしない。あれ?有名なDJなのに??結構やっつけられているなぁ、これじゃあ自分のショーも厳しいかなぁと思った。
1時間くらいたって再び見ると、さっきとは違い数人、一心不乱に踊っている人が出てきた。「あれ?ちょっと空気が変わったな」と思って控室に戻った。
自分の出番が近くなり、舞台袖に行ったのがさらに1時間後。その頃にはあちこちで人が踊っていて全く違う空気になっていた。おっ、これだとすごくいい雰囲気だ、自分のショーもいい感じになるなと確信し、自分の番になって出ていくと、なんだか違う。あれ?あれ?と思っているうちに自分の持ち時間が終わった。
後でそのDJの方に聞いてみた。「どうやって空気を作っていくんですか?」すると、その方は「焦らずゆっくり温めていく」「状況を見て、最善な手を打っていく」「自分から火をつける」と答えた。そう、その日の私は自分から火をつけようとしていたが、状況を見ずにただただ自分のやり方を通そうとして周りを白けさせていた。それ以降、私は見る人の心の動きを意識しながらショーを組み立てるようになった。