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コロナの代償

ニュースを見ているとCovid-19による経済への影響が連日報道されている。GDP、自動車販売数、外食産業、旅行業界への影響などは悪化しているが、テレワーク関連、通販、フード宅配などはまずまず良い影響を受けている。リーマンショックのように全体がドカンと悪化するのではなく、良いところと悪いところそれぞれあり、これからのパラダイムシフトを予感させる。

株価だけを見ると決して悪いようにも思えない。実際はどうなのだろうか。サラリーマン家業の私個人の実感としては、大きな影響はない。しいて言えば、辞令が出てから思い通りに異動がかなわなかったことくらい。

辞令から半年たった今日、ようやくバンコクへの移動がかなった。よく考えると私が受けた代償は、経済的な負担ではなく、時間的な負担と考えられる。

今まで何度も来たことあるバンコク。今回はいつも見てきた景色が待ったく違っていた。スワンナプーム空港には、タイ航空の機体がずらりと並び、まるで飛行機の墓場のようだった。

飛行機を降りると、感染対策をした空港職員が一人一人書類を確認。事前に許可を得た人で間違いないか、書類に不備はないか、体温は問題ないか、体長はどうか。一通り、確認を終えるとまた確認。宿泊するホテルはどこか。そしてイミグレーションでも確認。

あくまでも推測だが、縦割り省庁が各々所掌の範囲を確認しているのだろう。

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すべてのチェックを終えるとようやく外に出られる。外に出るとなぜかバスが並んでいた。何に使うかはわからない。

我々はASQホテルで手配した専用の車両に乗ることになる。当然、車両も感染対策ばっちりで、写真ではわかりにくいが、運転手と顧客との間には透明のビニールのカーテンがかかっている。タイに入国できても距離を感じずにはいられない。

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ホテルも同じ。チェックイン時に体温、血圧、そしてPCRの陰性証明書の確認と続き、すべての持ち物(カバンなど)には消毒液を吹きかける。ホテルも徹底的に対策をしている。そして部屋に案内される。

部屋に入るとようやくゆっくりできた。おいしい食事に温かい風呂。

しかし、私とタイの間には2週間突き破ることができないガラス一枚の窓が残っている。

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