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そのままの彼女を受け入れるということ


結婚まであと2週間。
自分でもまだ信じられない。

遠距離の彼女とは結婚式の前日まで会うことなく、自分が今住んでいる一軒家で新生活をスタートすることになったので、最近は自分の家に彼女のモノが入った段ボール箱が届くようになった。

彼女「大好きな写真家の本を処分しようかどうか迷ってる。」

 僕「それ最後に読んだのいつ?」

彼女「買ってからしばらくずっと読んでない。」

 僕「それは過去の思い出だから、これからは僕と一緒にいっぱい楽しい思い出を作ろう。メルカリで出品する方法教えるよ。できるだけ処分して、二人で新しい生活をスタートしよう。」

そう言ってLINEの赤マーク📞を押し、夕食を作りにキッチンへと向かった。

うちにはテレビがないので、テレ東のアプリで番組を観ながら料理をすることがよくある。

そんな中、「ウチ、断捨離しました。」という番組をみた。

毎度のことながら、片付けられない夫婦が出演していた。結婚後に旦那さんの祖父の家を使わせてもらうことになり、良かれと思って親が残していった家具や食器が処分できず、なかなか断捨離が捗らないという。

旦那さんは奥さんの大切なものまで捨てようとするし...見ていて辛かった。

奥さんは断捨離をしながら、初めて引っ越してきた時の悲しかった思い出がフラッシュバックしポロポロと涙をこぼしながらこう言った。

「ずっと自分の居場所がなかった。」

衝撃だった。

自分の居場所がない?親と一緒に住んでいる訳でもないのに?

彼女は「自分が大切にしているモノまで捨てられそうになり、自分の存在そのものも否定され、出て行けと言われているみたいだ」

とまで言っていた。

僕はこれは単なる自己憐憫ではないと思った。

そもそもの夫婦間の不信感、言いたいことが言えないこと、無関心、境界線の引き方。そう言った積み重なってきた夫婦間の問題が一番の問題であり、片付けられないのはただそこから派生してきた問題にすぎないのではないかと感じた。

彼女が大切なモノを捨てようかと悩んでいるときに、キッパリと「捨ててから来てね〜」と言ってしまった自分と画面越しの旦那さんが重なり、申し訳ないことをしたなーと思った。

その夜LINEで

「僕はそのままの君を受け入れようと思っている。だから君が大切にしていることを僕も大切にしたい。無理に処分しなくてもいいから大切なモノは持ってきてもいいからね。」

そう伝えることができた。

泣いて喜んでくれた。
僕も話しながら泣いた。

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Where you were living, where we start living.
キミがいた街、ボクらの住む村

一人暮らしもしたことのない彼女が、住みやすい家も街も、大切な家族も友人も捨てて僕が住む小さな田舎の村に来るということは、相当な覚悟が必要だったと思う。そんな中でも僕のことを選んでくれた彼女には感謝してもしきれない。

確かに全てのモノを持ってきてもらうと部屋がパンパンになってしまい、住みにくくなるのは想像がつく。でもそれはまた別な問題であり、そうなってしまった場合は二人で力を合わせて片付ければいい。
時には厳しいことを言わなければいけない場面もあるかもしれない。
でもまずは、自分が受け入れられているんだという環境を作ってあげることが必要だと感じた。

二人の人が一緒に生活をするということは容易いことではない。
できるだけ断捨離をしてから一緒に新しく必要なものを買い揃えてから新生活をスタートするのが理想なのは言うまでもない。

・モノよりも経験が大事
・「いつか使う」のその「いつか」は永遠にやってこない。
・捨てることより、持っていてスペースを無駄にする方がもったいない。
・そもそも部屋が散らかる一番の理由はモノが多いから。モノが少なければ散らからない。

これは全て紛れもない正論。
でもその人が全部断捨離をしてスッキリしてきたけど、その新しく住み始めた家が "自分の居場所を感じられない場所" になってしまったとしたら...?そのまま引きずって夫婦関係にも歪みが出てしまう要因になってしまっていたのではないだろうか?

もし仮にそうであってもそうでなくとも、彼女の心のケアまでしてあげられる器の広い人になり、ただ正論だけを言うセイロ二ストになるのではなく、しっかりと向き合い、気持ちに寄り添うことのできる人になりたいと思った。

これは今後の夫婦関係や親子関係においても大事なことだと思う。

結婚後も定期的にこのことを思い出して、自分がしっかり妻や子供の気持ちに寄り添うことができているか振り返る時を持ちたいと思う。

結局メルカリでの売り方と、売れやすい文章の書き方を教えた結果、彼女はなんと原価2000円の本を5000円で売り(衝撃)

売ることを楽しんでいるのでそれはそれでよかったけど笑

彼女が大切にするコト/モノ/ヒトを大切にすること。
気持ちに寄り添い、そのままの彼女を受け入れることの大切さを学んだ。

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おまけ

「横浜は田舎だ」という彼女に、じゃぁ僕の住む村は何なんだ!?
と聞いたところ「森」と即答されました笑

森で新婚生活をスタートするサムエルです。今後ともよろしくお願いいたします笑

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