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140夜  Yoshimi Battle the Pink Robots / THE FLAMING LIPS

最近は日本の若いアーティストに音楽オタクの気質を感じることが多くなりました。
その場の衝動を芸術的に昇華させるというよりも、緻密に計算された曲作りがされていて、コードの選択や細かい音色の選定などまでオタク的なこだわりを持って作られているなぁと感心するのです。

こうした音作りに固執するようなアーティストの作品は昔から好きで、昨夜のジェリー・フィッシュなどもそんなバンドだったかもしれません。
素晴らしい音楽性を感じさせるも短命で終わるバンドが多いのは残念なことですが、フレーミング・リップスは80年代半ばから活動を開始して今も現役の長寿バンドです。

このアルバムは彼らの10枚目。
サブカル好きで音楽オタクな匂いがプンプンします。
けっこう独特なポジションにいるバンドだと思うのですが、このアルバムは売れたそうです。
20年も前の作品ですが、今聴いても古さを感じさせないのは、コンセプトに沿った音選びと、ドリーミングな曲調やメロディの良さのおかげでしょうか。

アルバム後半の「Do you realize?」は、オクラホマ州の公式州歌に選ばれていたり、何かのランキングで「葬式で流したい曲」トップだったという話しもある名曲です。

ピンクのロボットに戦いを挑む空手黒帯のヨシミさん、というなんとも不思議な設定ですが、是非「映像研には手を出すな!」のスタッフさんでアニメ化して欲しいものです。