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117夜 Visage
ニューロマンティックを振り返ってみようと思って聴き始めたのに、意外とこのカテゴリーにマッチするバンドがいなくて、拍子抜けしています。
ヴィサージは、まさしくこのジャンルだと思っていたのですが、改めて聴いてみると、普通のエレ・ポップですね。
自分の中では、けっこう良い印象で記憶されていたのですが、改めて聴いてみたら、好きなタイプではありませんでした。
なんで、昔は良いと思ったんだろう?
と、書き出しから取り付く島もない話しになってすいません。
このアルバムに入っている「Fade To Gray」という曲は、リズム・ボックスの単調なビートとシンセのキラキラ・サウンドをベースに、フランス語の語り(歌ではなく)を乗せることで、未来的でアンニュイなムードを醸し出すことに成功していました。
若い頃の私は、おそらく、これにやられてしまったのでしょう。
ただ、今聴くと、そこまでではなく・・・。
こんなに昔と今の評価が違うのは残念ですが、そんなことを楽しむために古いアルバムをかけているところもあるので、これはこれで良いのです。
このバンドが一目置かれているのは、バンドのリーダーがニューロマンティック・ムーブメントを生み出したクラブを経営していたスティーブ・ストレンジさんだということや、初期メンバーにミッジ・ユーロさんがいたことなどによるでしょう。
未来的なサウンドは、こうしてレトロになるのですね。