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涙のROCK断捨離 27.Procol_Harum「A Whiter Shade of nPale」

プロコル・ハルム「青い影」/Procol_Harum「A Whiter Shade of nPale」
1967年

古今東西、一発屋と言われるアーティストは数限りなくいますが、その一発が時代を超えて愛され続け、演奏され続け、真似され続けているというのはレアなのではないでしょうか。
表題曲「青い影」は、音楽好きなら誰もが聴いたことがある超有名曲です。原曲を聴いたことが無くても、この下ってゆくコード進行(カノン進行)は最近の曲でも多く耳にすることがあるでしょう。

ジョン・レノンが絶賛したとか、荒井由実さんが影響を受けたという情報が無かったとしても、誰もが自分の耳で名曲だと感じるのではないかと思います。

歌詞については、船酔いの歌だとか、いろいろなコメントを見たことがありますが、私としては、浮気を疑って冗談めかしてカマをかけたのに否定してもらえなかった哀しい男の歌だと解釈しています。
ただ、こう言うのもなんですが、歌詞はどうでもいいです。
1音目が奏でられた瞬間から心を持っていかれてしまうオルガンの響きに乗せて、それぞれが勝手な思いを描いてロマンチックな気分になればよいのではないかと。

クラシカル・ロックの代表のように紹介されることのあるプロコル・ハルムですが、このファースト・アルバムを聴く限り、どこからそんなキャッチ・フレーズが出てくるのかと思ってしまいます。
演奏は結構泥臭く、バンドの特徴であるピアノとオルガンもブルースな感じです。ギターも所々でギュンギュンいってます。
このアルバムは、プロコル・ハルムがバンドを組んで、さてどうしていこうかと試行錯誤する中で「俺はこんなのが好きなんだけどみんなはどうかな」とバリエーションを開いて見せている、試運転段階という感じがします。
これからどうなるのかを既に知っている側としてはアレですが、シリアスにならずに「いいねそれ」とか言いながら聴ける感じです。
シリアスで重厚なものを期待するのであれば、もう少し後の作品が良いかもしれません。

バンドとしての思い入れが無いので、CDは手放すことにしますが、「青い影」だけでなく他の曲も聴いてみて欲しい、ポテンシャルの高いバンドです。

私の手元のCDでは1曲目が表題曲の「青い影」なのですが、イギリスで最初にアルバムが発売された時にはこの曲は収録されていなかったそうです。
Spotifyにあるのは、このイギリス盤をベースにしているようで(2009リマスター)「青い影」が入っておらず、ジャケットにもタイトル表示がありません。

Spotifyで聴けます。
https://open.spotify.com/album/6OLClv70DOXi5XxmNR0jk2?si=NE2OT3UwShS1Dv5HRwGuYw
「青い影」を聴くためには、2019年のベスト盤を選んでみてください。
ちなみに、「50周年アニバーサリー」バージョンもありますが、テンポがゆっくりになって、変に情感を入れようとしてる感じが私の好みではありませんでした。聴くなら、オリジナル・バージョンです。


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