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涙のROCK断捨離 67.PREFAB_SPROUT「38 carat collection」
プリファブ・スプラウト「38カラット・コレクション」/PREFAB_SPROUT「38 carat collection」
1999年
世の中の評価と自分の感性が合わないことがあります。
なんでこれ、こんなに評価されてるの?ええ、これ、売れてるの?
もちろん、世の中の評価や販売実績には広告などの力も作用しますから、純粋に商品の力だけが実績としてあらわれるわけではないのですが、それを含めても、自分は大丈夫かな、と心配になったりするわけです。
プリファブ・スプラウトは、パディ・マクアルーンという稀代のポップ・センスを持ったアーティストを中心にイギリスで結成されたバンドです。
彼の曲作りは非常に高く評価されていましたので、この良さが分からないやつは音楽的センスのないやつだと思われてしまうほどでした。(後半は言い過ぎです。)
80年代の私は、こうしたポップさを上手く評価できずに、もっとエッジの立ったものを探しまくっていました。
ペイル・ファウンテンズには切なくなるけれど、プリファブはファッションだ、という感じです。
ところどころで聴こえる、キーボードの音色にこの時代を感じてしまうのが、諸刃の剣というところでしょうか。
この「38カラット・コレクション」は、バンドのデビューからレコード会社を移籍するまでに発表された6枚のアルバムから、38曲をセレクトした編集盤です。
発表されたそれぞれのアルバムに思い入れがあるような、同時代を歩んだファンでないならば、プリファブ・スプラウトを知るにはお買い得だと思います。今、改めて聴いてみて、やはりセンスという点では素晴らしいと思えます。(昔より素直になりました。)
サカナクションとかゲスの極み乙女とか、最近の日本の音楽オタクっぽいバンド(めちゃ、褒めてます)は、プリファブ・スプラウトの子供たちのようです。
ヒットした曲もあるのですが、自分自身に当時の思い入れが無いせいで、今聴き直して、評価が特別に高まるということはありませんでした。
私はもう聴くことは無いと思いますが、今の日本の音楽シーンが好きな人は、かつての偉大なソング・ライターの作品として聴いておくことは価値があると思います。 気に入ると思います。
Spotifyでも聴けます。
アルバムの表記は、1983年になっていますが、たぶん1999年の間違いです。
Spotifyでは、レーベルに所属するデビュー前の曲(1曲目)が聴けません。
写真の使用許諾に感謝します。
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