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涙のROCK断捨離 47.PHIL_MANZANERA「DAIAMOND HEAD」
フィル・マンザネラ「ダイアモンド・ヘッド」/PHIL_MANZANERA「DAIAMOND HEAD」
1975年
このアルバムに興味を持つ時点で、フィル・マンザネラが何者かは知っていることでしょう。言わずと知れた、ロキシー・ミュージックのギタリストです。
ここからロキシー・ミュージックについて脱線すると、長くなって、このアルバムについて書けなくなってしまいそうなので、それはまたの機会にします。
このアルバムを買ったのは、30歳を超えて、昔持っていたレコードをせっせとCDで買い直している時だったと思います。
ロキシー・ミュージックを買い揃えながら、レコードで持っていなかったブライアン・イーノの初期のソロなどにも手を伸ばす中で、「これも聴いとかなきゃいけないかな」と思ったという動機でした。
なにしろ、メンバーが豪華です。ロバート・ワイアット、ブライアン・イーノ、ジョン・ウェットン、エディ・ジョブソンという名前が並ぶのを見ただけで、どんな音楽が展開されるのか期待が高まります。さらに、フィル・マンザネラがロキシー・ミュージックに参加する前に在籍していたバンド、クワイエット・サンのビル・マコーミックやチャールズ・ヘイワードの名前もありました。このふたりは、クワイエット・サンの後、マッチング・モウルとディス・ヒートという要注意(?)バンドにそれぞれ参加します。恐るべし、クワイエット・サン。
実はフィル・マンザネラのギターについては、そんなに思い入れがあったわけではありません。正直なところ、それほど重要なギタリストだと思ったことも、実はありませんでした。
癖の強いロキシー・ミュージックにあっては、なかなか個性を主張するのは難しかったことでしょう。このアルバムでは、控えめながら、ちゃんと歌心のある演奏を披露してくれています。ただ、それでも、いわゆるギタリストのソロとは思えないほど、ギター・アルバムではありません。
多彩なアーティストにバランスよく仕事をさせた、多彩な音楽がポップに展開されます。異国情緒のあるメロディやリズムは当時は新鮮だったのかもしれませんが、現代の耳では全く違和感無く聴くことができます。
それだけに、なんとなく聴き流してしまうと、特に印象に残らないアルバムにも感じられることでしょう。
しかし、ボリュームを上げて、しっかり演奏に耳を傾けると、印象は一変すると思います。ギンギンに緊張感あふれるせめぎ合いをしているわけでは無いのですが、それぞれの楽器の音、アンサンブルなど、魅力的な展開に心を奪われます。
今も、2回、3回と聴き直すことで、さらに良さが感じられています。
ライブで観たいと思えました。
ごく個人的には、ジョン・ウェットン好きなのですが、彼が参加した様々なアルバムの中でも、ここで聴ける演奏と歌は、かなりのお気に入りです。
ロキシー・ミュージックのような艶やかさこそありませんが、今、改めて聴いてみても、非常に良質でツウ好みなアルバムです。楽器演奏ができる人には、より良さが感じられるかもしれません。
Spotifyでも聴けます。
写真の使用許諾に感謝します。
Photo by Bill Anderson on Unsplash