T's BAR 69夜 STARSHIP
Knee Deep In The Hoopla / STARSHIP
大ヒットした「We Built This City」の邦題は「シスコはロック・シティ」。
英語の歌詞に特定の街の名前は出てこないと思うのですが、大人になってサンフランシスコに行ったとき、港でこの曲が流れていて、この邦題には意味があったのだと変に感心したのでした。
このアルバムには、「We Built This City」「Sara」という大ヒット曲が入っています。ただ、他の曲については、あまり記憶がありません。
改めて、聴きながら思い出したいと思います。
スターシップは、ジェファーソン・エアプレイン、ジェファーソン・スターシップという、2つの前身バンドがあるのですが、メンバー構成的にも音楽的にも、全く別のバンドだと言って差し支えないでしょう。
ジェファーソン・エアプレイン好きの私としては、スターシップは受け入れられませんでした。
当時、中学生時代にヤンキーだった同級生が、高校生になったらサーファーに変身していた、なんてことがありました。
それくらいのインパクトでした。
ジェファーソン・エアプレインは、独特の世界観を持つサイケデリックなバンドでしたので、産業ロックのような世界とは無縁だと思っていましたから、受け入れられなかったのです。
(ジェファーソン・エアプレインにいたマーティ・バリンさんが、バンド脱退後にAORなヒット歌手に転身したことも、記憶から消すようにしています。)
聴き進めていますが、なんとも80年代な音色で、まさに産業ロックという感じです。トレンド感が強い分、古さは感じてしまいます。
歌は上手いですし、演奏にも不安がありません。
産業ロックというヒットの法則を手に入れたバンドは、次のアルバムでも「Nothing’sGonna Stop Us Now」という大ヒットを飛ばします。
ただ、やっぱりヒット曲以外は、記憶にありません・・・。
AORから産業ロックに転身したり、プログレやアメリカン・ロックから転身した例は見られますが、サイケデリックから転身したのはスターシップだけでしょう。
しかも見事に大成功しているのですから驚きです。
前身バンドのことは忘れて、トレンドの音を楽しめれば良いでしょう。
ただ、この後の自分の人生でスターシップを選曲することは無いような気がします。
ラジオから流れて来るくらいがちょうどいい、80年代ど真ん中なバンドです。