涙のROCK断捨離 番外 THE_ROCKY_HORROR_SHOW
昨日の投稿(No.112)でミート・ローフについて書いていて「ザ・ロッキー・ホラー・ショー」が出てきましたが、こういう作品については人に話す機会が無いので、ここに少し脱線したエピソードを書かせてください。
「ザ・ロッキー・ホラー・ショー」は、私にとって「人生で最も重要なオールジャンル100作品」にランク・インする作品です。
テーマ、映像、そして何よりも素晴らしい音楽。
奇抜な設定や宇宙人だけでなく、良識的な登場人物や美しいポップ・ソングまで、全てが毒と哀しみを帯びています。
高尚で美しい芸術作品でも、万人を感動させる名作でも無いかもしれません。
でも、この作品に魅了された20代の時、これを制作した人がいて、これを好きだと思う私がいるということは、私は狂っていない(狂っていたとしても、それは私だけではない)、と思っても許されるような気がしたのです。
なので、多くの人にお薦めしたいというわけではありませんが、個人的には大切な作品なのです。
VHSの頃からソフトや編集盤が変わるたびに買い求めては、繰り返し楽しんでいます。
映画はもちろん、劇場にも何度も足を運びました。
1995年からROLLYがフランク・フルタ―を演じた数年間は、最高のキャスティングだったと思います。
昔のことなので間違いがあるかもしれませんが、その他のキャストでは、川平慈英のブラッド・メジャース、KONTAのリフ・ラフ、宝ダイヤとルビーのマジェンタとコロンビアは、良かった記憶があります。
海外出張で訪れたニューヨークでは、2000年のブロードウェイ公演を観ることができました。
この時、会食を抜け出して会場に駆けつけたのですが、実は少し入場時間に遅れてしまいました。
急いで入ろうとする私に入口の係りの方が「どこから来たのか」と尋ねるので「日本から」と答えたところ、「案内するまで、このドアのところで待て」と言います。
交渉できる雰囲気でもなく英語力もありませんでしたから、仕方無く立って待っていると、ショーが始まりました。
着席できなかったので、途中休憩までこのままなのかと思った時、ステージに先ほどの係りの方が現れて、お馴染みの語りを始めたかと思うと「今日は、日本から友達が来ている」と言うではありませんか。
そのタイミングで、ドアの前にいた私にスポットがあたります。
舞い上がった私をスタッフの方が案内してくれ、私はスポットライトと観客の拍手に迎えられながら席につけたのでした。
なんと粋な計らいでしょう。
当時の仕事のことは覚えていませんが、これは最高の思い出となりました。
この時のコロンビア役は、ジョーン・ジェットでした。
少しだけギターも弾いたような気がします。
こんな思い出まであるので、前のコラムでめちゃめちゃ褒めたミート・ローフの「地獄のロック・ライダー」ですが、このアルバムがいくら出来が良くて全世界的に売れまくろと、私個人にとっては「ザ・ロッキー・ホラー・ショー」の方がずっと大切な作品なのです。
そんなことをわざわざ言わなくてもいいようなものですが、なんだか「ザ・ロッキー・ホラー・ショー」についても触れておきたくて、スイマセン。
ま、誰に何を言われても、たぶん、死ぬまでに、あと何回か観ます。
番外編なので、「ザ・ロッキー・ホラー・ショー」のアルバム・レビューはしませんが、ご紹介だけ。
Spotifyでも聴けます。
写真の使用許諾に感謝します。
Photo by Timo Wagner on Unsplash