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145夜 The Turning Wheel / Spellling
数年前に彼女の実験的なロックを耳にしたときは、「これでヒット曲か名曲ができればいいのだろうけど、このままではなぁ」なんて思って、それっきり意識の外に追いやっていました。
デビュー・アルバムは、10代の頃に聴いていたらファンになっていたと思える出来でした。
実際、若い頃は多くの実験音楽や前衛芸術に魅かれていたものです。
ただ、老い先短い年齢になってみると、実験的な表現は評価こそしても本心から心が動くことが少なくなっているのです。
そんなわけなので全く忘れていたのですが、このアルバムは驚きでした。
表現としてのチャレンジ精神は失っていないのに、曲が良いのです。
昔、ケイト・ブッシュ や ローリー・アンダーソン、グレイス・ジョーンズ、ビヨーク など、音楽の世界を変える女性アーティストの登場でドキドキした気持ちを思い出しました。
ここ数日、発見してから、何度も聴き直しています。
私の感性が狂っているのか、世の中が彼女を見つけられていないだけなのか、何にしても見過ごしてはいけないアーティストではないでしょうか。
あまり情報がないのですが、Spelllingは芸名で、本名は Chrystia " Tia " Cabralさんというそうです。(Spellling の L は3つ。)
個人的な今年のアルバム・ランキングでのトップ10入りは確実です。