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涙のROCK断捨離 23.STEVE_HOWE「TURBULENCE」
スティーブ・ハウ「タービュランス」・STEVE HOWE「TURBULENCE」
1991年
イエスのメンバーは、80年代後半から90年代にかけて、けっこう精力的に活動していました。
音楽の潮目が変わって、創作意欲が湧いていたのか、過去の存在にならないように焦っていたのか分かりませんが、イエス自体の活動に加えて各自のソロもいろいろ出されています。
私自身としては、おそらく80年代はニュー・ロマンティック系の新しいバンドに関心が移って、往年のプログレ・バンドの作るものを受け入れにくくなっていた時期だと思います。
自分の耳にフィルターがかかっていますから、ステーブ・ハウがソロを出しても、まともには聴いていなかったのでしょう。今、改めて聴いてみたところ、全く以前に聴いた記憶がありません。
いつものようにCDをかけながら書いているわけですが、インストなのですね。歌無しです。
この時期は、イエスが同窓生を皆集めて「結晶」というアルバムで盛大なクラス会を開いた時期です。人数が多すぎて、アルバムでも消化不良を起こしていましたので、ひょっとしたらスティーブ・ハウは「みんなうるさい、好きにやらせてくれ」と思っていたのかもしれません。
でも、ここで聴けるのも、いつものスティーブ・ハウといえばそうなので、わざわざソロを作る必然性は感じられません。録音の時期まで調べていないので分かりませんが、イエスでボツにされてしまった曲なのでしょうか?
アルバムを聴き進めていますが、ボーカルが無くて、逆に演奏がしっかりよく聞こえます。バンドとしては当時のイエスよりもまとまっている感じ(悪く言えばスタジオミュージシャン的)で、楽曲のクオリティは「結晶」よりも良いのではないかと思うほどです。
時代的にも重厚長大な曲は流行りませんし、歌が入らないので場面展開も難しいのでしょう。短めの曲が並び、聴きやすくもあります。
ただ、ハッとさせられるような驚きや、奇跡のきらめきのような瞬間は訪れません。ジョンのボーカルと絡むことで逆に個性が際立つ、というような化学反応もありません。ただただ、良い曲と演奏が楽しめます。
スティーブ・ハウは、どんな状況下でも、素晴らしい作曲と演奏ができるミュージシャンなのだということを再認識させていただいたうえで、CDは断捨離させていただきます。
Spotifyで、聴けます。
https://open.spotify.com/album/2C2eSBa3plc2Xm4AmdKowj?si=biWNISsgT0eIJqGsiiLmFg
写真の使用許諾に感謝します。
Photo by Daniel Olah on Unsplash