創作界異一覧
解説
Xの#タクティカル祓魔師タグにて創作したオリジナルの界異をまとめました
創作、イラストなどに活用していただければ幸いです
また、本記事はポスト内容に一部加筆修正を加えており、オリジナルのポスト内容と違う表現がされているものがあります、ご注意ください
界異とは
境界歴元年
突如として秘匿が破られ、現世へと出現したこの世ならざる異常な存在
タクティカル祓魔師と呼ばれる者たちは日夜、この界異と戦っている
以下に、その界異の一部を抜粋、一覧として記述す
No.001 「堕天使」
十字系祓魔師が標的とする悪魔の内、特に神聖存在から反転した怪異の総称
各堕天使に対応した守護者や守護天使の洗礼を受けた祓魔師が対応する
No.002「黄泉(ヨモツ)」
神道系祓魔師が対応する神敵のうち
黄泉比良坂系に属する怪異
・統率(コマンダー)の黄泉醜女(ヨモツシコメ)
・戦闘員(ウォリアー)の黄泉戦(ヨモツイクサ)
・侵食者(キャリアー)の黄泉竈食(ヨモツヘグイ)に分類される
No.003 「天魔」
仏教系祓魔師が滅する仏敵の内
マーラー系を代表とする半実態存在
欲を感知し、吸い取り、増幅、侵食する特性を持つため
BDU(ブッダ ダイレクション ユニフォーム)などの受動防御、
サトリインストラクションによる能動防御が有効
No.004 「武装デーモン」
下級の悪魔型界異
人間が生み出した武器や知恵と言った概念を利用することで非力さを補填している
ある意味、タクティカル祓魔師とは表裏の存在と言えよう
No.005 「根無し草(ノーマッド)」
各系統に該当しない怪異の総称
噂話や都市伝説、怪談などから発生
概念深度が低く、大抵は自然に消滅するが、
稀に大きくなりすぎた個体が半実体を得て害をもたらす
その場合、発生した地域で1番広まっている系統の祓魔師により「命名」され討伐される
No.006 「狂骨(インセインスカル)」
文字通り、骸骨を依代とした怪異
実体存在としての深度は、怪異の中でも特に高く
特殊な訓練をつんで居ない人間でも触れたり、触れられたりすることができる
反面、通常兵器でも祓魔可能であるため、脅威度は低いとされる
No.007 「飛蝗子(アバドンチルド)」
虫型怪異の内、蝗害の逸話などから生まれた存在大なり小なり群れを形成するため
火炎系祓魔具などによる範囲駆除推奨される
No.008 「存伏(ネームレス)」
根無し草(ノーマッド)とは反対に
意図的に自身の名前を「消却」した界異
上位の界異の一部が該当名を消すことで、存在深度を低下させ
その代わりに祓魔師からの攻撃に耐性を持つことに成功した個体
概念や言霊に近く、物理的被害より精神汚染、ミーム汚染、祟りなどとして”発生”する
No.009 「以津真鷏(いつまでん)」
伝承系に属する飛行型怪異
「いつまで?いつまで?」と問いかけながら空中を旋回し、標的とした者へ急降下、捕食する
ケース174
インシデント「呼び声」にて多数の個体による被害が発生
現場祓魔師では対応不可と判断され空自祓魔課が初出動した
No.010 「神隠し(ボイジャー)」
存在変異系に属する界異
境界の侵食により境界の”向こう側”へ連れ去られ(あるいは転送され)変異させられた動物(人間を含む)のこと
No.011 「穢胞(トランスファー)」
概念系、植物型に属する界異
境界の侵食を広げるために自らを胞子のようにこちら側へ飛び散らせる
汚染後すぐの状態であれば略式の儀を用いて浄化できるほど個々の力は弱い
しかし、1度でも根を張り周辺に広がれば、そこはもう汚染された境界域と成り果てる
当該界異を射出するための器官は「穢胞殻(エナガラ)」と呼ばれ、植物状の実体が汚染区画に生え
また、新たな胞子を飛ばす
このエナガラを用いた祓魔具も少なからずあり
より攻撃的かつ侵食性の高い物が生成される
No.012 「機鬼(チクタクマン)」
概念系および電子憑依系に属する界異
一般の電子機器や電子制御の祓魔具に取り付き害を成す
ケース202
インシデント「時計仕掛けの環状線」にて
【検閲済み】市を走る【検閲済み】に憑依し、乗客乗員に多数の被害を出した
No.013 「狂風刹(ハラストール)」
伝承系に属し、風(特に大嵐)を司る上級界異
上級界異は、主に境界奥部に生息しているため、本界異の目撃情報は非常に少なく、いまだ全容を知るには至っていない
数少ない目撃個体は
「黄衣のイェレミア」
「アルデバランの主」
「セラエノイド」
などが知られている
No.014 「縁切糸(ストリングトーチャー)」
伝承系、仏教系に属する蟲型界異
巨大な蜘蛛を模した姿をしており
名前の通り糸で標的を切断、あるいは拘束し捕食する
亡骸を弄んだり、生き餌として捕らえた者を痛めつける行動が度々確認される
No.015 「贄吊るし(プランダー)」
鳥獣系、伝承系に属するモズの特徴を持つ界異
空中へ標的を攫い、弱らせたのち
境界内の突起へ速贄の如く吊り下げる
備考:炸裂デコイによる祓魔が有効
No.016 「冥魔(プルートゥニアン)」
概念系、侵食系に属する不定形界異
影や暗闇を侵食し、対象を自身の体内へ引きずり込む
引きずり込む際、多数の人型実体が顕在化する
No.017 「白蜺(モビーディック)」
海洋生物系、侵食系に属する体長40m程の巨躯を誇るクジラ型界異
対象を周りの水域ごと飲み込むように侵食、捕食する
被害範囲はサイズに比例し甚大かつ広域に及ぶため一個体出現する度に艦隊が出動する羽目になる
ケース557
インシデント「エイハブの悲劇」
界異「白蜺」の一個体を追撃していた某国対界異フリゲート「ピークォード」が轟沈した事件
この事件をきっかけに、対海洋系戦術が見直されることとなった
No.018 「黒尉(ローチャー)」
蟲系、実体系に属する界異
見た目は巨大なゴキブリ様な姿をしており
境界・穢由来の物質以外は全てが捕食対象とされる
実態系の例に漏れず、物理的駆除が可能であるが、増殖スピードが(本物同様)早く
概念的祓魔法による一斉駆除が確実である
No.019 「穹牟(クラフトミュート)」
半実体系、憑依系に属する界異
航空機に憑依し、自らの体として操ることが出来る
燃料弾薬などは元々搭載されていたものが尽きても、境界から流れ出す穢れを補給することで維持出来る模様
東京湾上空に編隊で飛行していた個体群を空自が撃退
No.020 「養煉(エナジャイザー)」
概念系、物質系界異
300mlのアルミ缶入りエナジードリンクに擬態している
通常の製品に混じり、店舗・自販機などへ侵入
自らを体内へ吸収した存在を汚染・同化し
新たな個体を作る
No.021 「茈祆蛾(ミラージュボマー)」
実体系に属する蟲型界異
紫色のスズメガの姿をしており
体長は約10cm弱
本来腹部先端にあたる器官にパルスジェット機構を持っており対象へ亜音速で突撃、衝突後穢れを含んだ爆発を引き起こす
No.022 「呀癧(アヤタラマンバ)」
伝承系、伝播系、実体系に属する界異
半人半蛇の実体存在を持ち、穢を纏った牙で対象を咬穿・汚染する
蛇型実体を使役しており、自身の体液から多数出現させることができる
No.023 「沼入道(ぬまにゅうどう)」
伝承系、仏教系に属する界異
泥や汚物などが溜まった水辺に住み着く
悪臭を撒き散らすこと、体躯が4m程あるため一挙動が破壊的であることを除けば比較的安全な部類の界異であり
人間と意思疎通が可能なため、特別収容区画にて暮らすことが多い
No.024 「二輪入道(ツインサーキュラー)」
突然変異系、完全実体型界異
伝承系界異「輪入道」が二輪車を模倣し突然変異した存在
見た目はホイールが木製で車体が黒檀作りのハーレーダヴィッドソン社製大型バイク
人間に友好的な個体は搭乗することが可能で、その場合、対汚染装備を着用が義務付けられる
No.025 「睨み行燈(スポッター)」
実体系、物質同化系に属する界異
近づいてきた動物や機械を行燈から生えた目で凝視する
「誰かに見られている感じがする」という感覚を対象に与えるが、それ以外はこれといって害はなく
不快害獣程度の扱いである
No.026 「界化不浄(ストレンジェッドブレード)」
穢が蓄積、凝縮し再界異化した※黒不浄
いわゆる妖刀などの概念兵装と同等の威力、汚染力を誇るため通常は破棄されるか厳重に封印される
物によっては意志を持ち、自ら担い手を選んだり、コミュニケーションを図ったりする
※タクティカル祓魔師が用いるブレード状の祓魔具のこと
No.027 「閻魔小間(アンヘルネロス)」
半実体系、伝承系に属する界異
上級界異「閻魔」に仕えており
主には不可侵、絶対服従を強いられている
個々の力は弱く、一般人でも対処可能なレベルの界異だが、
彼らを駆除するということはその後ろに構える閻魔を敵にすることを意味する
No.028 「光幻蝶(メタモルフォートン)」
概念系に属する界異
見た目は光が寄り集まって形成されたアゲハチョウそのものだが、この光に長時間晒された対象は、幻覚、高揚感、好戦的性格の表れなどを引き起こし
集団ヒステリック様の暴動を引き起こす
大量発生した際は対閃光装備の祓魔師が派遣される
No.029 「揺籃樹(サンサベリエ)」
半実体系、植物型界異
疑似餌として人型の実態を分離
疑似餌からは洗脳作用のある香りを放出することができ、手招きするように対象を自身の近くまで誘い込む
誘いこまれた対象は、揺籃膜と呼ばれる半透明の器官に取り込まれ、夢現のまま吸収捕食される
No.030 「鹿騎魔(チャリオットチャージャー)」十字系、実体系に属する生物複合型界異
ボロ衣のような旗を背中に差し、三頭の牡鹿が引く戦車に跨った人型実体を持つ
境界より出現し、宙を走り回りながら建築物や航空機などを襲う
地上では最大300km/h、空中では550km/hのスピードを誇る
No.031 「仙大猿(チャンドラ・バジー)」
道系、仏系、半概念系に属する怪異
和名の通り、見た目は仙人のような服装をした巨大な猿で
最大で6m程にまで成長する
固定化した水蒸気に乗り飛行する、分身を発生させるなど、かの有名な仙猿のような力を持つ
出現地域の信仰度により力が増減する
No.032 「谷蜥蜴(クリフト・ゲッコー)」
爬虫類系あるいは蟲系に属する生物型界異
平均体長1.6m
谷やビル、家屋と家屋の間などの「隙間」を好む
この性質上、境界と現世との「隙間」に産卵し、繁殖期にはそこで中規模のコミュニティを形成する
界異食性であり、人間は襲わない
No.033 「具足守(サムライセンチピード)」
半実体系蟲型界異
2m〜4m程の巨大なムカデであり、その節足の全てが日本刀になっている
地面や建築物に節足を突き刺しながら歩行する
敏捷性は高く、細い路地にもするりと潜り込む
No.034 「骸駄津(ガーボーン)」
実体系、侵食系海洋生物型界異
骨だけの”ダツ”のような姿をしており、数匹から数十匹単位の群れで行動する
船舶に無数の穴を開ける他、突き刺さった対象に小規模な境界侵食を引き起こす
No.035 「魔弾の射手(フライシュッツ)」
十字系、伝承系に属する界異
骸骨騎士と言った実体をしており
首のない馬に跨り、マスケットのような武器を構えている
この武器から放たれた弾丸は物体をすり抜けたり、迂回するなどして的確に標的の急所を貫く
対処に当たる場合、祓魔師には対伝承装備着用か
推奨される
No.036 「頑健たる漁火(ストロングウィスプ)」
概念系、半実体系界異
形容し難い姿をしているが、あえて例えるなら、炎の体を持った巨人がガレー船のマストから生えているような見た目
マストの本体たるガレー船は見えず、フワフワと海上を浮遊している
凶悪な見た目に反し、性格(?)は温厚で理知的侵食性や人間への悪意はなく
「ただ主を待つ」ことのみを行動理念とする
このような特異性から、本存在を界異から※法則性境界域へと再分類する計画がもちあがっている
※ある一定の法則の元にのみ存在する境界域のこと。その土地や人物が持つ記憶を何度もループする
これら界異は確認された界異の内のほんの一部に過ぎない
しかし、本項は未だその全容を顕にしていない境界異変に対する人類の戦いの歴史そのものであり、これらを有効活用し、祓魔師諸君には更なる健闘を期待するものとして、締めの挨拶とする
記録者:広報部
広報官 斬目 縁
本作はフィクションです
実在の人物・団体・宗教的思想とは一切関係ありません