バスケットボールは人生の教科書、元日本代表/プロバスケットボール選手”網野 友雄”さん
高校でバスケを始め、そのわずか2年後にはUnder18日本代表として世界を舞台に活躍をしていたという網野さん。大学を卒業した後はプロとしてプレー、そして日本代表として世界選手権に出場するなどの経験を活かし、現在は白鴎大学で教鞭をとり、男子バスケットボール部の監督兼部長として日本の未来のバスケットボール選手育成に全力を注いでいる網野 友雄さんにお話を伺いました。
網野 友雄さんプロフィール
出身地:東京都あきる野市
経歴:
東海大菅生高校
日本大学
2003年 トヨタ自動車入社
2005年 アイシンシーホースに移籍、プロ契約を結ぶ
2006年 世界選手権日本代表に選出される
2011年 リンク栃木ブレックスに移籍
2015年 選手引退 その後筑波大学博士課程終了
2017年 白鴎大学助教着任、男子バスケットボール部監督兼部長
座右の銘 「人間いたるところ青山あり」
選手は自分のコマではない、選手自らが自分の可能性を開けるようサポートするのが仕事です!
Q:バスケットボールを始めたきっかけを教えてください。
中学3年間で身長が30cm伸び、漫画スラムダンクの主人公桜木花道の純粋さに惹かれたことがきっかけで高校からバスケを始めました。
Q:どのような心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?
自分で何かを変えてきたつもりはなく、単純にバスケを始めて楽しくて、シンプルに練習量をこなしてきただけです。
大学進学の際、学費の援助があった日本大学に進むことを決めた時に母から、大学からお金を出してもらうのだからバスケットボールで大学に恩返しをしなさい、と言われました。大学時代アルバイトなどは一切せずにバスケに専念し、チームやチームに関わる全ての人に自分の力を還元することを意識していました。
バスケを始めてからはのめりこんでいったので、人生の必要な要素、努力することや人間関係をつくること、その他必要なことはすべてバスケから気づかされ、学びました。
そして良い指導者に巡り合いながら常にコート上でプレーすることができた自身の境遇に、周囲への感謝の気持ちが自然に生まれ、気が付いたら、いろんなことに感謝できる自分になっていました。
Q:AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?
データの分析など、機械は確かにバスケットボールにおいても便利で、私たちを助けてくれています。しかし最終的には人対人、だと思います。対人のコミュニケーションのニーズがありき、だと思いますので、AIが人の変わりはできないと思います。
Q:これからどんな美しい時代を創っていきたいですか?
白鴎を経由して育っていった選手たちがふらっと大学を訪れて、顔を出してくれるような、そんな人をたくさん育てたい、と思っています。
高校時代、代表選手に選ばれてからは授業が終わると、文京区にある学校まで毎日片道2時間かけて通い、練習をしていました。しかしキツイと思ったことはなく、それも周囲の方たちの支えがあってこそだと感謝の気持ちでやりきることができました。今白鴎大学で育てている選手たちが、バスケをしていたことで、いろいろなことに気が付き、自分の力や可能性を周囲に還元し、その中で自分の歩んできた道を振り返ってもらうことができたらこんなに嬉しいことはありません。
今目の前の選手に対して、彼らが与えられた環境の中で、何を選択してどのように自分の可能性を切り開いていきたいのか、それをサポートしていくことが自分の役割だと思っています。バスケットボールを通じて、人と人の繋がりをお互い大切にできる未来にしていきたいと思っています。
Q:読者へのメッセージをお願いいたします
いろいろなメディアを通しながら、バスケの世界で頑張っている人がいることを多くの人たちに知ってほしい、是非バスケットボールを会場まで足を運んで観ていただければと思います。
バスケの魅力は全ての選手が得点を決められること!バスケはチームプレーのスポーツです。技術が上手く、運動能力に長けている選手だけでなく、そうではなくても日頃努力を惜しまず練習し、チームの覇気を上げることができる選手がいてこそチームとして成り立つ部分もあります。いろんな個性のある選手一人一人が織りなすチームプレーを是非肌で感じていただければと思います。
12月からはインカレが始まります。白鴎大学も出場が決まっているので是非応援よろしくお願いいたします!
網野さん率いる白鴎大学男子バスケットボール部は現在日本で一番レベルの高い関東1部リーグに所属しており、記者も試合を観戦しましたが、早いスピードと力強さ、一人一人の技術の高いプレーに驚かされました。学生特有の一生懸命さとエンターテイメント性も加わって始終ワクワクしっぱなしの試合でした。
卒業後プロとして活躍している時も、後輩の様子を気遣うことを忘れず、積極的に母校を訪れ、日本のバスケ界の課題解決のため、大学バスケの強化に尽力することを決意し、プロ引退後には厳しい道であることを承知しながらも、大学院に進んだそうです。大学の教員という狭き門を切り開き、現在も日本のバスケ界に多大な貢献をし続けている網野さん、その活躍の裏には見えない数々の努力と優しく広い、大きな心がありました。
東京オリンピックを目の前に、日本バスケットボール界の今後の邁進を確信し、選手たちの成長を温かく見守る網野さんに大変感動しました、ありがとうございました!
網野さんのご活躍は以下のHPから見ることができます
【編集後記】
インタビューの記者を担当した中澤です。
今回網野さんのインタビューを通して、結果を出し続けられる人は考えや行動がシンプルなんだな、ということに気が付きました。網野さんの言葉は超シンプル!そして今まで実践されている行動もそのままシンプル!しかしその一つ一つがとても丁寧で心がこもっており、温かく優しいお人柄を感じました。そして気さくで明るく、誠実さとやんちゃな少年を併せ持つ雰囲気にとても癒されました。今後のご活躍を楽しみにしています。
この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
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